南米のプロサッカークラブに入団/今春、久御山高卒業の中島陸斗さん

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兵庫県尼崎市から久御山高校に入学、ドリブルを武器にサッカー部(大溝雄太監督)の切り札として活躍した中島陸斗さんが、このほど南米チリのプロサッカークラブ「CDオヒギンスU20」への入団を決め、3月末の出発に向けた準備を進めている。「子供の頃から好きだったという南米で実績を残し、日本でも活躍したい」と、抱負を語る。
小学1年生でサッカーを始めた中島さん。ドリブルやリフティングといった個人技上達に多くの時間をかける地元のチーム・ジベルティードに入団した。チームの代表・長町和歩さんは「根をあげず、泣きながらも練習についてきた。ライバルに負けじと頑張っていた」と振り返る。
中学では、南米で子供が路上で空き缶をボールに見立てて遊ぶサッカーを手本に「遊びとひらめき」を大切にする〝TACHIBANAFCVIVORIO(以下VIVORIO)〟に入団。「海外でプロになりたい」と話し、攻撃の中心として活躍した。細身でドリブルが優れていたことから、西野誠二さんらスタッフは、元ブラジル代表のドリブラーになぞらえて〝ロビーニョ〟と呼び、指導していたという。

得意なプレーという、右サイドから中へ切り込み、シュートを放つ中島さん(昨年10月・高校選手権京都大会)

中学1年の頃、久御山高校に入学したVIVORIOの先輩・檜尾昂樹さん(現在ポーランドでプレー)が出場する試合を見に行き「みんな上手いのに、ミスしても怒らず、楽しそうにプレーしている」と感じて入学を希望。入学後は、尼崎市の自宅から約2時間かけて通った。「テクニックはナンバーワン」(大溝監督)と評価され、チームを勝たせる選手に与えられる背番号14を背負った。
高校でも「南米に行きたい」と希望していたことから、松本悟・元同校監督から、パラグアイでのプロ経験がある竹辺エイジさんを紹介され、昨年末に同国であった「(様々な人種の人が)2000人はいた」というパラグアイのクラブの入団テストに参加。約50人までの合格者に選ばれた。学業の関係からそこへの入団は断念したが「自信になった」と振り返る。その後、チリのスカウトマンが来ていた南米でのテストに参加し、CDオヒギンスU20の入団を勝ち取った。
チームではエージェントの持つ家に住み、契約金や給料がもらえるトップチーム昇格を目指す。高校では主にサイドでプレーしたが、ドリブルだけでなくパスも得意なことから、トップ下を勧められているという。
南米では公園に絶対サッカーゴールがあること、一般人がお金を出し合った賞金を巡って「バチバチにやってた」という、激しいコンタクトプレーと熱のこもった試合を間近にした。テストでは笛が鳴っているにもかかわらず削られ続ける、日本にはない厳しさも体験。ペットボトルを投げつけられるなど、差別を思わせることも。
携帯には高校までのチームで練習中によく流されていたというラテン系の音楽がたくさん入っている。「入っていたチームの影響で、南米が好きになっていった。体はテストを受けていたほかの選手より僕の方が小さかったが、テクニックでは負けなかった。変な自信もあるんですよ」と自己分析。不安は言葉と食事という。
身体でも負けないように、筋トレにも力を入れている。今月14日には大溝監督から「ごつくなったな」と声を掛けられていた。 大溝監督は「壁にぶち当たりもすると思うが、自分で勝ち取った道なので、頑張ってほしい」と、エールを贈る。

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