久御山町は22日、災害の未然防止に向けた「防災パトロール」を実施した。出水期を前に、災害対策関係機関の担当者らが、町内の防災上の重要箇所の現況調査と点検を行った。
同町は木津川と宇治川に挟まれており、町内のほぼ全域が浸水想定区域。水害に対する危機管理は最重要課題となっている。
このパトロールは町地域防災計画に基づく取り組みで、梅雨入り前のこの時期に毎年、実施。信貴康孝町長や町職員、町消防本部、国交省淀川河川事務所、府山城広域振興局、淀川・木津川水防事務組合など関係機関から約40人が参加。2班に分かれて、上津屋橋(通称・流れ橋)、巨椋池排水機場、佐山排水機場の計3カ所を視察した。
現在、スクリューポンプの取り替えなど、第2期施設更新工事が行われている佐山排水機場では、町建設課の職員が同施設の役割などを説明。水を汲み上げるスクリューを回転させるエンジン部分も案内した。
同施設は、古川の水位上昇により自然流下できなくなった場合に佐山排水路(延長827・5㍍)の水を強制的に古川へ排水する内水排除施設。同水路流域(42㌶)の浸水を防ぐための重要な役割を果たしている。
今月17日に通行が再開したばかりの流れ橋では、山城北土木事務所から、昨年8月の台風7号で上部工がずれ落ちるなどした被災状況や復旧工事の概要を聞いた。
巨椋池排水機場では、管理協議会の職員の案内で、毎秒80㎥の排水能力(25㍍プールの水を約6秒で排水)を持つ巨大な施設を見学した。
参加者は今回の視察を通して、防災減災の取り組みの大切さを再認識。いつ起こるかわからない災害に備え、迅速・的確な活動が行える体制の強化へ意識を高めた。