この夏に「笑いとお灸」/宇治田原・遍照院
頭上に枇杷(びわ)の葉、炮烙(ほうろく)、もぐさを乗せて、煙は濛々

宇治田原町奥山田岳谷の高野山真言宗「遍照院」で10日、ぼけ封じと健康祈願の焙烙(ほうろく)灸祈祷が営まれ、檀家ら約70人が頭上は熱く心を静めた。
初夏と秋の年2回、毎年行われる。
今回も「笑いとお灸」のタイトルで、桂紅雀さんと桂源太さんをゲストに招いた落語会が開かれた。
境内には、樹齢450年以上という京都府名木百選の「八重の紅梅」が麗しく、西国霊場第十二番札所である岩間寺(いわまでら・滋賀県大津市)の先代・田居山主から秘伝を授けられた。
土用の丑に頭痛や夏バテ封じとして行われることで知られる焙烙灸。
笑いのひとときですっかり心身の凝りをほぐし、いよいよ無病息災や疫病退散を願う御真言をみなで唱え御祈祷へ。
万病に効く「薬草の王」とされる枇杷(びわ)の葉を頭頂部に当て、その上に素焼きの浅鍋・炮烙(ほうろく)、そして百会(ひゃくえ)というツボを温めるよう、どっさりと「もぐさ」が乗せられた。
「熱いさけ、ハンカチを…」懇願する淑女も準備を整え、さあ着火。
思ったよりも熱さは募り炮烙の重さも苦行と見え、もぐさが燃え終わり「すっとした表情」を見せた。