残る半年も無病息災で/城陽 水度神社と荒見神社で「夏越の大祓」
境内に設置された茅の輪をくぐる地元の参列者たち(水度神社)

城陽市内にある水度神社(水田清比古宮司)=寺田=と荒見神社(青山浩然宮司)=富野=で30日、今年前半のけがれを払い、残る半年の無病息災を地域住民が祈願する「夏越の大祓」が執り行われ、境内は参詣者でにぎわった。
水度神社では午前11時から、平成から令和への元号移行期にまたがった改修を終えた国重文の本殿前で氏子総代らが参列して「夏越祭」が厳粛に執り行われ、午後3時から地域住民らも含めて「夏越大祓式」を挙行。

7月6日まで期間限定の水度神社「特別ご朱印」

水田宮司の妻・智子さんが司会進行を務め、まず拝殿前で、神職から氏子総代(竹島通夫会長、10人)や一般参列者らがお祓いを受けた。境内を訪れた人々には「厄おとし丸うちわ」が配られ、期間限定の特別ご朱印(1枚500円)も授与された。
そして、前日29日に同神社に到着したばかりの「その道25年」のベテラン茅葺職人、山田雅史さん(55)=寺田在住=が手掛けた直径2㍍の茅の輪を、参列者らが列をなして順番にくぐった。
なお、拝殿横の茅の輪は6日(土)午後4時まで誰でも自由にくぐることができる。

荒見神社拝殿で執り行われた総持寺山蔭流「庖丁式」

一方、荒見神社でも、宮総代(中川喜久生総代長、6人)らが用意した高さ約1・8メートルの茅の輪が据え付けられ、訪れた市民らが順々にくぐって「残り半年も無病息災で」と祈った。
谷直樹氏が司会進行を務める中、まず午後3時15分から拝殿で、総持寺山蔭流「庖丁式」=庖丁士・飛谷拓也氏と後見人の樋口誠氏、近藤竜巳氏、同4時20分からは境内で「おかげ踊りを広める会」(工藤香代子会長)による踊りの奉納が行われた。

茅の輪をくぐり「おかげ踊り」を奉納する広める会メンバー(荒見神社)

おかげ踊りは、江戸期に流行した伊勢神宮への集団参拝の際に行われたもので、市内では約40年前に乾城地域の保存会が中心となって復活。その継承活動が始まり、それを「広める会」が受け継ぎ、全市的なうねりとなるようオリジナルの踊りを考案するなど努力を傾注している。
この日は、編み笠に着流し姿の広める会メンバー約20人が参加。今年1月に改修工事を終えたばかり本殿で、奥田敏晴市長とともにお祓いを受けたメンバーらは、扇を手に輪になって、CDプレーヤーから流れるお囃子や三味線、太鼓などの音色と、「ええじゃないか、ええじゃないか」の音声に合わせ、しなやかな所作の踊りを披露した。
演目は乾城に伝わる「おかげ踊り」と東京音頭をモチーフにアレンジした「おかげ音頭」、平成バージョンをミックスさせた「城陽おかげ踊り」。メンバーらは、軽快な節回しに身を委ね、茅の輪をくぐった。さらに、踊りの後、午後5時ごろからは一般参列者も「暑い夏を乗り切り、残る半年も健康で」と茅の輪くぐった。