1番茶 初の40億円超え/宇治茶「止市」
宇治茶「止市」でその品質を見極める指定業者たち

宇治茶「止市(とめいち)」が31日、城陽市寺田塚本のJA全農京都宇治茶流通センターで開かれ、今シーズンの取引はひと区切り―全茶種の総取引金額は46億円と2021年以来、4年連続で拡大。1番茶の取引額では、市場開設来初めて40億円を超えるなど、碾茶をはじめ全茶種で旺盛な展開が続いた。
今年の宇治茶の取引は、平年より2日早い4月2日の一番茶萌芽宣言を受け、最も早かった昨年よりも8日遅い4月24日の「初市」で幕開け。
流通センターでは「もみ茶販売」26回、「てん茶販売会」34回の入札が行われ、地元茶問屋ら指定業者が新茶の品質を見極め、それぞれの茶種に値段を付けていった。
止市を終えた時点の総取引数量は2番茶も含め1126・8㌧(前年度1082・2㌧)。
全農京都茶市場での1番茶の取扱額は40・3億円となり、1番茶の取引額としては茶市場開設以来、初めて40億円を超える盛況だった。
総取引額は46億円(前年比122%)を計上し、20年にコロナで激しく落ち込んだが21年から4年連続で拡大が続く。
JA全農は「アフターコロナ、インバウンド需要の回復、輸出の拡大等の需要を見据え、全茶種で堅調な価格での取引となり、特に碾茶の取引は需要拡大に伴い大変引き合いの強い取引となった。1番茶の取引平均㌔単価は4597円と昨年を500円以上も上回り、1番茶の取引量も碾茶がけん引し前年比117%となった」と好感を伝えた。
また、「2番茶については、1番茶の増産、2番茶時期の高温の影響を受け昨年に比べて減産となった。しかし、取引価格については全茶種ともに堅調な価格で取引された」と締めくくった。
この日、入札販売会に参加した指定業者30社50人と、関係者、来賓などの合計90人が一堂に会した。
式では、府農林水産部の小瀬康行部長、府茶業会議所の堀井長太郎会頭、府茶生産協議会の𠮷田利一会長ら来賓、全農府本部の宅間敏廣本部長ら主催者が締めの挨拶を述べた。
なお、茶止市の後も8月9日(金)に2番茶の臨時販売会を予定している。