より良いまちへ堂々と意見/久御山「子ども議会」

B!

久御山町は3日、町制施行70周年を記念して「子ども議会」を開いた。町内の児童・生徒が、初めて足を踏み入れる本会議場の厳粛な雰囲気を肌で感じながら、町議会議員が行う一般質問と同じ方式で堂々と自分の考えを述べた。
この取り組みは、将来を担う子供たちに、まちづくりや議会の仕組みを学んでもらい、町政への理解を深めてもらうもの。5年前の2019年にも、町制施行65周年記念として実施している。
信貴康孝町長は挨拶の中で「貴重な体験を学校生活やこれからの人生に生かして。将来、町議を志す人が出てくることを期待しています」と述べた。
松本義裕議長は「将来、皆さんの力で住みやすい素晴らしい久御山町を築いて。大人の心を動かしてください」と、子供たちの発言に期待を寄せた。
この日の子ども議会には、町内の3小学校、1中学校、1高校から2人ずつ、計10人が参加し、「一日議員」を体験した。議長の大役は中西結衣さん(久御山高)が務め、議事を進行。約20人の町理事者のほか、町議会正副議長に見守られながら〝子ども議員〟が順番に演壇に上がった。「私たちの質問」として、普段、自分の目で見て感じている久御山町について、質問、提案、要望。他市町の事例を交えながら提案したり、学校での社会科の学習、周囲への意見聴取、現状分析などから導き出した改善策などを堂々と述べ、町の見解を質した。
質問には信貴康孝町長と内田智子教育長が答弁。それぞれの意見をまずは真摯に受け止め、現在取り組んでいるものについてはその説明を行い、実現が容易でない事業についてはその理由を添えながら丁寧に答えていた。
子供たちの一般質問の様子は、保護者のほか各校の校長や現職の町議らも傍聴席から見守った。
内田教育長は、町の取り組みに関心を持った上で、さらにより良い策を前向きに考える児童・生徒の姿に「頼もしい」と感心した。
議長の重責を務めた中西さんは「緊張せずに楽しめた」と充実の表情。「町民として議会がどのように行われているのかを知りたかった」と、参加した理由を述べるとともに「一般質問をしてみて、一つひとつのことを動かすのは想像以上に難しいと感じた。私たちは自由に要望を言えるが、実現するにあたってはさまざまな課題が伴い、考えるべきことがたくさんあるということが分かった」と、その難しさを実感した様子。「議長席はふかふかで座り心地が最高だった」と、笑顔を見せた。
なお、子ども議会の様子は動画投稿サイト「ユーチューブ」で配信中。

最新の記事はこちらから