企画展「『源氏物語』が呼んでいる~拡がる古典の世界~」/9月29日まで・宇治市源氏物語ミュージアム
「偐紫(にせむらさき)田舎源氏」の拡大パネルと関連資料

宇治市源氏物語ミュージアム(宇治東内)の特別展示室で、企画展「『源氏物語』が呼んでいる~拡がる古典の世界~」が開かれている。源氏物語にちなんだ版本や絵画、工芸品などを通して、作品の世界に触れてもらう。
今回の企画展では、江戸後期に著された『紫式部日記註釈』をはじめ、初出陳の資料が17点ある。名古屋市蓬左文庫蔵「知之翁蔵書目録」には、尾張出身の歌人・堀田知之が収集・編集した580件もの書物名を掲載しており、館内に源氏物語の注釈書「湖月抄」(同館蔵)など実物も展示している。
会場内にあるパネルには、江戸期に出た源氏物語のパロディ本「偐紫(にせむらさき)田舎源氏」を5枚にわたり拡大掲載。室町時代を舞台に将軍「足利光氏(みつうじ)」が活躍するストーリーだが、主人公の光氏は「人気キャラ」として愛され、しばしば他の作品に登場。館の出入口に設置した大型のカラーパネル「四條河原夕涼」の錦絵もその一つだ。
資料は26件72点。9月29日(日)まで。途中展示替えあり。午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)。休館日は月曜(祝日の場合はその翌日)。観覧料は大人600円、小人300円。

ダイナミックな錦絵「四條河原夕涼」が飾られたミュージアム外観