企画展「光る君の面影をもとめて」/12月15日まで・宇治市源氏物語ミュージアム
『百人一首図絵』に描かれた在原業平の肖像画(右)と歌

宇治市源氏物語ミュージアム(宇治東内)の特別展示室で、企画展「光る君の面影をもとめて」が開かれている。NHK大河ドラマで宇治への関心が深まる中、源氏物語ゆかりの地や、光る君(光源氏)をはじめとする人物像を紹介している。
会場右手には江戸後期の1834(天保5)年に刊行され、明治時代に復刻版として出された『紫式部日記注釈書』がある。『紫式部日記』には、1008(寛弘5)年に一条天皇の中宮・彰子が敦成親王(後一条天皇)を身籠ったエピソードや、執筆していた「源氏の物語」を彼らがどのように読んでいたのかが分かる部分もあるという。

『三十六歌仙』を描いた銅版画の拡大パネル

また「光る君」が誰かについては様々議論がなされているが、モデルになった人物として良く知られている在原業平および嵯峨天皇の皇子・源融を取り上げ、関連資料を会場奥~左側に展示している。このうち六歌仙として名をはせた在原業平については、奈良時代から鎌倉初期までの秀歌「小倉百人一首」に登場する歌を、歌人の肖像画と共にまとめた『百人一首図絵』に、その姿が見て取れる。
館長の家塚智子さんは「皆さんの心の中で生き続けている〝光る君〟像を追い求めてもらい、都名所図会などを通じて、昔も今も宇治に憧れる人の気持ちは不変であると知ってほしい」と話していた。
資料は20件40点。12月15日(日)まで。午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)。月曜休館。観覧料は、大人600円、小人300円。