宇治市折居台にある宇治市歴史資料館の収蔵展示室で、企画展「黄檗山萬福寺―普茶料理・豆腐羹―」が開かれている。12月1日(日)まで。
普茶料理とは、江戸初期(1661年)に萬福寺を開創した隠元禅師により日本に伝えられた中国風の精進料理だが、なかでも「豆腐羹(とうふかん)」は黄檗豆腐とも呼ばれ、代表的な献立の一つだった。なお、製法の難しさなどの事情から、現在は取り扱われていないという。
作り方は豆腐と似ているが、重石で押して限りなく水分を抜き、最後に熱い醤油に浸すのが「豆腐羹」の特徴。通常よりも硬めに仕上がり、日持ちがするのだという。
展示では、2013年まで門前で豆腐羹の店を営業していたという「松本老舗」の調査資料を参考に、製造に必要な用具一式を並べて工程を再現している。同寺から提供を受けた「豆腐羹ができるまで」ビデオ映像(約25分)もある。
このほか、4人1卓で食べるという普茶料理の模型や、調理風景の写真、当時の普茶料理の出し方や並べ方を記した資料など65点が並ぶ。
入場無料。開館時間は午前9時~午後5時で、月曜・祝日休館。問い合わせは同館℡0774‐39‐9260へ。