「少なくとも4年以上」/新名神大津~城陽、大幅遅延

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ネクスコ西日本関西支社(安達雅人支社長)=大阪府茨木市=は24日、京都市山科区の新名神京都事務所会議室で、第3回連絡調整会議を開き、新名神高速道路大津~城陽間(25・1㌔)の開通予定について明確な時期は示さず「少なくとも4年以上。今後の工事進捗によっては、さらに1、2年の期間を要する」と報告した。これにより、大津~城陽間の開通時期は、今年度末から「4~6年後」と大幅に伸びる見通し。新名神を起爆剤としたまちづくりを進める城陽市など沿線市町に施策に影響が出てきそうだ。
新名神は、愛知県名古屋市から兵庫県神戸市を結ぶ延長174㌔の新しい国土軸。地元の京都府南部では、2017年4月に「城陽~八幡京田辺間」約3・5㌔が先行開通している。
一時、着工凍結されていた「大津~城陽」「八幡~高槻」間も12年4月に国交省による事業許可が出され、ネクスコ西日本により6車線で施工中。
「大津~城陽」のうち、京都府域は宇治田原町と城陽市にまたがる約17・7㌔。その間には、仮称「宇治田原IC」「城陽スマートIC」と「城陽JCT・IC」(供用済み)の3つの出入口が整備され、名古屋や大阪方面からの交流人口増加によるまちの活性化が期待されている。
特に、城陽市は東部丘陵地の「長池先行整備区域」で、三菱地所グループによる府内初の「プレミアム・アウトレット」の造成工事を終え、開通以降の開業を目指して今後、建築工事が行われる。また「青谷先行整備区域」では、日本初の自動運転を見越したトラック隊列走行の基幹物流施設が計画されるなど、府南部全体のにぎわいにつながる大規模な開発が行われる。
そのような中、ネクスコ西日本は24日、国交省近畿地方整備局や滋賀県・京都府をはじめ、大津市・城陽市・宇治田原町の担当職員と、ネクスコ西日本の担当者らが一堂に会する第3回連絡調整会議を開き、「大津~城陽」間の事業進捗と課題について報告。
席上、最大注目点だった新名神「大津~城陽」間の開通予定について明確な時期は示されず「少なくとも4年以上。今後の工事進捗によっては、さらに1、2年の期間を要する」と報告された。
これにより、大津~城陽間の開通時期は、「4~6年後」の2028(令和10)年度から2030(同12)年度へ大幅に伸びる見通し。
遅延要因だった3カ所のうち▼滋賀県域の信楽川の「P4橋脚」は、今年2月に基礎杭の構築が完了し、橋脚工事に着手。▼城陽スマートIC部は、地盤改良工事が7割程度進捗。完了した後、盛土工事を実施予定。
最大ネックは▼宇治田原インターチェンジ部で「事前調査により局所的に確認されていたコンクリート殻などが想定以上に発現。それに加え、粘性土を多く含んでいることから石灰混合により改質した後、分別する作業を行うなど通常の切土工事に比べ、非常に多くの時間を要している。地盤改良と切土工事を繰り返し行いながら本線構築を行う計画。今後の工事においてもコンクリート殻等の混入状況は不明。地中の混入物により、地盤改良の進捗に大きな差が生じたり、機械が故障するなどの事象が発生しているとして引き続き、工事の進捗を確認する必要がある」とした。

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