身近な災害、意識高める/久御山高で防災学習
骨折時の応急処置法を教わる生徒たち

府立久御山高校(中塚一校長)で19日、防災学習が開かれ、1年生が被災地で使用される自衛隊車両を見学したり、救急法を体験。防災意識を高めた。
現1年生は、課題を発見し解決する力を育むことを目指してカリキュラムに組み込まれている「総合的な探究の時間(総探)」の中で、「防災」について学んでいる。1学期には学校周辺のハザードマップの作成、2学期には町内企業約30社を対象に防災対策に関する提案を行った。
この日は、1年生約240人が、自衛隊京都地方協力本部宇治地域事務所の協力のもと、防災の一端に触れ、学びを深めた。

物干し竿と毛布を使って担架搬送

第2体育館では、布と長さ20㌢ほどの棒を使った止血法や、ノート、ひも、レジ袋を使った骨折時の応急処置法のほか、物干し竿と毛布を使った担架搬送を体験した。被災時に十分な物資がない場合でも、身の回りにあるものを使って応急処置ができることを学んだ。
グラウンドでは、被災地で活躍する車両が展示された。生徒たちは、飲料水を輸送する1㌧水タンクトレーラ、がれきの撤去に威力を発揮するバケットローダ、炊事・調理機能などを備えた野外炊具1号、アンビュアランス(救急車)を見て触れて体感。災害派遣時に持ち出す背のう(リュック)を背負って重さを確かめたり、自衛隊テントの展張も体験した。

炊事・調理機能などを備えた野外炊具1号

昨年8月、南海トラフ地震「巨大地震注意」の発令につながった日向灘地震に鹿児島で遭遇し、地震の恐ろしさを改めて実感したという総探担当の青山かおり教諭は「災害は身近に起こり得る。だが、きっかけがないとなかなか対策が進まない。(総探が)そのきっかけになれば。防災について経験しておくことが大切」と話し、総探の狙いに触れながら、防災意識の広がりを期待した。
骨折時の応急処置法を初めて体験したという生徒は「普段、運動する機会が多く、骨折をする可能性もある。その時に活用できれば」と話した。また「地震はいつ起こるか分からない。いつ起こっても、自分の身を守れるようにしておきたい」と、防災意識も高めた。
現1年生は3年生まで同じテーマで続く総探で、防災への学びをさらに深めていくという。