
城陽市長選=31日告示、9月7日執行=に向け、市政転換を目指す市民団体「みんなの城陽」=正式名称・みんなで変えよう、いのち・くらし・防災城陽の会=は8日、市役所内で会見を開き、元小学校教員の成清義之氏(70)=宇治市大久保町=を擁立することを発表した。市長選への立候補表明は、現市長の後継予定候補である元副市長、村田正明氏(63)に続き2人目。一騎打ちになるのか、第3の候補が出現するのか…戦いの構図に注目が集まる
「みんなの城陽」は、前回(2021年9月)の城陽市長選前に「市民の会」=新しい城陽民主市政を築く市民の会=を発展的解消し、個人参加も含めて11団体などで立ち上げた。共産党は構成団体の一つとして参画している。
市長選へ向け、今年3月に市内全戸に「市民アンケート」を配布。1033通もの回答を得て、物価高で苦しさが増す市民生活の実態や146億円もの事業費を投じる新名神のアクセス道「東部丘陵線」などの大型開発、上下水道の包括的民間委託「ウオーターPPP」導入へ市民向け説明会の開催を求めても応じない市の姿勢に厳しい意見が数多く寄せられたという。
その一つひとつを丁寧に読み取り、会の名称通り「命」「暮らし」「防災」優先のまちづくりに転換を図ろうと、みんなの城陽は市長候補の選考を行い、国政選挙等の影響で時期が遅れたものの「自信を持って送り出せる候補」と、成清氏の擁立を決めたという。
成清氏は福岡県飯塚市生まれ、高校1年の時、島根県に引っ越し、県立隠岐島前高校から島根大学教育学部に進学。卒業後、1978年4月に京都府小学校教員に採用され、城陽市立今池小を皮切りに、古川小・田原小・深谷小などに勤務。最後は今池小に戻り、2015年3月に退職した。
その間、京都教職員組合執行委員・青年部長や宇治久世教職員組合実行委員長などを歴任。教育学が専門で主に児童らの指導方法などに心血を注いだ。
城陽市内には1980年から2017年まで在住していたが、現在は宇治市大久保町で、元小学校教員で現在は支援員をしている妻と2人暮らし。長男は小学校教員、長女は介護福祉士として独立。市長選出馬にあたり、村田氏のように城陽市内に転居する予定はないという。
「みんなの城陽」の立ち上げから事務局長として会の活動をけん引してきたが、市長選予定候補に決まり、肩書は『顧問』に。ただ、本人は「いささかしっくり来ていません」とほほ笑む。
出馬にあたり、成清氏は「みんなの城陽の活動を再開して半年。候補者選考の責任者の一人として『最後の最後は…』という思いはありました。新市街地に新しい真っすぐの道路が通りましたが、私は寺田の街中の道路を走っている方が心が安らぐ。新名神は国策なので、今さらどうこう言いませんが、開通が遅れることで146億円の東部丘陵線の事業費はさらに増える可能性があります。大型事業優先でなく物価高で苦しい市民の暮らしに予算を使い、宇治市で行われているような水道基本料金の減免をはじめ、教育費の充実、地元商店街の活性化、府内最大の青谷梅林振興などに取り組みたい」と熱っぽく意欲を語った。
