城陽市長選は7日、投開票され、現市長の後継者で無所属新人の村田正明氏(63)=自民、公明、立民、国民推薦=が1万3647票を獲得し、次点の無所属新人・成清義之氏(70)=共産推薦=にダブルスコア超え、阪部晃啓氏(57)に大差を付けて圧勝した。得票率は61・3%。成清氏は得票を伸ばしきれず、告示前日に出馬した阪部氏は、供託金(100万円)没収ラインはクリアしたものの、出遅れを挽回することはできなかった。市議補選(欠員3)とダブル選挙となったことで上昇が期待された市長選の投票率は36・83%と前回より0・42ポイントダウンし、過去最低を記録した。
初陣を飾った村田氏は、京都府で技術職37年、城陽市で副市長など3年の計40年の行政経験を全面に打ち出し、陣営は「府南部のまちづくりを知り尽くすエキスパート」であることを広くアピール。4~6年後の新名神「大津~城陽」開通を起爆剤とした新都市基盤整備を牽引するリーダーとして最適任者であることを強調した。
村田氏は「まちづくりは、あくまでも手段」とし、同市の将来的な命運を握る東部丘陵地開発だけでなく、城陽の街中の賑わい創出にも力を入れ、「生み出された財源を福祉・教育の充実に充てる」と訴えたことで有権者の共感を得た。
確認団体・活力城陽の会(岩見悦明会長)が村田氏の政治活動を支え、選挙戦本番では、選対本部(古瀬善啓会長)と自民、公明、立憲民主、国民民主の4党がうまく機能し、旧寺田地域を中心とする奥田市長の支援者と、4政党の支持層をミックスさせて集票。本人の知名度不足をカバーし、圧勝で初陣を飾った。
一方、成清氏は、一騎打ちだった前回4年前の中野恭子氏(7079票)から1500票近く落とし、現市政批判票を一部、阪部氏に奪われた。ただ、成清氏は、地下水80%利用の水道水を守る等の訴えで、有権者から一定の反響を得た。
このほか、阪部氏は首長選挙に市内居住要件はないものの「宇治市民を市長にしてはなりません」などと指摘し、城陽ファーストの支持者から3000を超える票を得た。さらに、「子育て費用ゼロのまち」を目指す訴えが、若い世代の支持を得たとみられ、有効投票者数の10%と定められた供託金(100万円)没収ラインをクリアした。
■市政与党独占で決着/城陽市議補選
5人が立候補した城陽市議補選(欠員3)も7日、投開票され、立憲民主党公認の新人・下村牧子氏(47)、日本維新の会公認の新人・辻田ひかる氏(32)、自民党推薦の無所属新人・池田憲司氏(45) の当選が決まった。3氏の市議任期は2027年5月2日までの約1年8カ月。