城陽商工会議所(岩見悦明会頭)は今年、設立40周年を迎えた。この間、日本経済はバブル崩壊、リーマンショック、コロナ禍を経験。ハイテク関連など大手企業の業績は好調だが、長引く地域経済の低迷はいまだ出口が見えない状況だ。京都南部に目を移せば、高度経済成長期に人口が急増した城陽市は都市部の中で最も早いペースで人口減少が進行。消費の低下が懸念される中、同商工会議所は市内唯一の総合経済団体として地元企業の育成や支援、商工業の発展に大きな役割を果たしてきた。14日、京都市内のホテルで、記念式典が行われ、新役員・議員らが数年後の新名神高速道路の開通を起爆剤に地元経済発展への決意を新たにした。
城陽商工会議所は1985(昭和60)年4月に全国で481番目、府内で8番目の会議所として産声を上げた。現在、1397事業所が加盟。企業、事業所の決め細やかな経営相談はもちろん、市から委託を受けて「城陽市プレミアム付商品券」事業、城陽のお店や事業所と市民らをつなぐポータルサイト「縁Joy!」を通じた情報発信や電子クーポン発行事業、さらに消費者に向けに趣向を凝らしたセールやイベントを企画。地域の魅力を広く伝える取り組みを展開している。
また、市内で最大級のイベント「JOYO産業まつり」は多くの市民に親しまれている催しとして定着。伝統産業である、金銀糸の新たな可能性を探る「燦彩糸プロジェクト」や、創業者支援の取り組みといった積極的な事業を展開している。
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これまでの歩みを振り返り、さらなる城陽商議所の発展を目指して開催された「設立40周年記念式典並びに第15期役員・議員就任披露式」には、地元選出の国会議員など多くの来賓を迎え、約170人が出席した。
岩見会頭は式辞で「地域経済を再び活性化するには『稼ぐ力の強化』と『人が活躍できる環境づくり』が欠かせない。地域産業の競争力を高め、多様な人材が能力を発揮できる社会を実現することこそ、持続可能な成長の基盤。行政と商工会議所、企業が連携し『人と企業がともに育つまち・城陽』を築いてまいりたい」との決意を述べた。
来賓のうち、村田市長は「城陽商工会議所と行政が一体となり、地域社会の持続的な発展と市民生活の向上に貢献できるよう、ともに歩んでまいりましょう」、乾議長は「多様化する企業の経営課題や支援ニーズに対応し、まちの活性化につなげていただきたい」と祝辞を寄せた。
なお、第2部「記念パーティー」では、今年度の日本アカデミー賞「最優秀作品賞」等を受けた安田淳一監督=城陽市寺田=をスペシャルゲストに迎え、『チャレンジを形にする力~〝小さな一歩〟が全国に広がった道のり』をテーマにした「トークショー」も繰り広げられた。
さらにプロボクサー寺地拳四朗選手も駆け付ける中、来賓らによる「鏡開き」を行い、米国グレーターバンクーバー商工会議所理事のジュリアナ・マーラー氏の発声により『梅酒』で乾杯。出席者らは、記念すべき節目を祝い、歓談のひとときを過ごした。