【中川宗孝(環境生物研究会・城陽環境パートナーシップ会議)】
11月29日、ナチュラリストの活動母体・城陽環境パートナーシップ会議の年間最大行事「第24回城陽市環境フォーラム」を終え、慌ただしく師走を迎えて今年一年の活動を振り返っています。例年、6月末の年度総会とミニフォーラムの開催で上半期の総括としていますが、今年度は昨年来取り組んできた侵略的外来生物・クビアカツヤカミキリ防護対策の地元研修会として京都府の担当官を招いてご講演いただきました。これまでにも京都府主催のクビアカツヤカミキリの講習会は開催されていて、自身も三回ほど参加していましたが、地元・城陽市において関係者たちに危機感を持って今後の事態に備えてもらいたいとの思いがあってその責を果たしています。
こうして上半期の活動が一段落し、年間最大行事と位置付ける11月の「第24回城陽市環境フォーラム」に向けての下半期がスタートしました。啓蒙活動のイベントこそ限られていますが、チドリ科の野鳥・ケリが城陽市役所屋上で営巣した5月半ばからがぜん忙しくなり、全国的にもまれなビッグニュースも、水も餌もない環境下での繁殖はとても公表できるものではありませんでした。結果、環境課事務局の全面協力を経て、7月22日に孵化雛最後の生き残りが無事巣立つまで、立ち入り禁止のロープを張り、水とオタマジャクシや干しエビなどの餌を日々与え続けて成長を見守りました。
そうした中、7月は5日の「今池川・水辺の生き物観察会」に12日は木津川淡水魚の定期調査、7月20・21日の「サイエンスキッズ・夏祭り」に8月2日に開催される「太陽が丘・夜の昆虫採集会」に向けて参加者に進呈する連夜のカブトムシ・クワガタムシの採集。この間も北陸新幹線車両基地建設計画が浮上した巨椋池干拓田の希少鳥類の公開資料で建設見直し運動に協力し、情報をいただいた木津川市の倉庫をねぐらとする謎の猛禽類の追跡調査に、外来生物のクビアカツヤカミキリの食痕探しの継続調査。荒見神社ではマムシと共にアライグマ3頭を捕獲し、他にも一般から要請があった2頭を引き取り危険生物・外来種バスターの務めを果たしています。最新・リアルタイムの活動報告がモットーの当連載が滞ったのも、7月だけでもこうした超過密スケジュールに追われてのことでした。
そして今年は9月末に開催される100を超える環境保護団体の参加で2万人の来場者が見込まれる「きょうと☆いきものフェス!2025」に初出展を予定していて、新作クリアファイル・環境指標生物検索編の製作発表をメインとした予鈴を前号でお伝えしました。最終日の登壇となった活動報告の発見では、現在の外来種対策と共に2010年度の「生き物ハンドブック」から今年度の「ガイドブック第6弾・外来生物編」まで、啓蒙活動のアイテムとしての有効活用の功績と、口頭発表で語り切れない関連資料の配布で好評を博し、実りあるイベント参加となりました。
実は準備段階の8月から9月にかけては、城陽市の市長選と市議補選の時期に重なって環境課事務局の協力が得られず、更には5年目にしてコロナに感染し、野生生物からの感染が疑われたタトゥーを入れたような謎の発疹に見舞われ、体調不良に加え車のトラブルなどが重なって大変でしたが、ナチュラリスト仲間の盟友たちに支えられてことなきを得ています。それでも9月に予定していたイベントを先送りした結果、10月のカレンダーは7月に勝るとも劣らない過密スケジュールになりましたが、過ごしやすくなった気候とエコキッズたちの笑顔に癒され、来年度に向けてのビジョンも拡がっています。
あと何年フィールド探査と自然保護・環境保全の啓蒙活動に従事できるか一縷の不安もよぎりますが、後期高齢者入りを目前にして元気でライフワークを全うできることに感謝し、とかく手前味噌な活動記録を残す機会として明日への活言としています。今年最後の活動報告・フォトレポート前編にお付き合い下さい。
◎いきものフェスと7月のフォト日記
9月27・28日に京都府立植物園を会場に開催された「きょうと☆いきものフェス!2025」では、展示ブースにワークショップ、鳥やカタツムリなど様々な観察会主催者など計100団体もの参加で大盛況のイベントとなりました。昨年は日程が合わず、今回が初参加でしたが、2月の「京都環境フェスティバル」と共に城陽環境パートナーシップ会議の活動成果の発表の場と位置付けて、胸を張れる研究発表を続けて行くことを目標としています。
メイン企画では、「京都の寺社の森と生物多様性」と題した渡辺弘之・京大名誉教授の基調講演があり、鎮守の森の重要な役割と直面する問題を考える機会となりました。また、研究発表と活動報告も口頭・ポスター併せて35題がエントリーし、城陽環境パートナーシップ会議も「外来生物と有害生物の現状と取り組み」を演題に、希少野生生物の保護に欠かせない外来生物の駆除とスズメバチやマムシといった危険生物への対応を語り、啓蒙資料として作成してきたハンドブックなどを紹介し、ガイドブック・外来生物編2025を関連資料と共に配布しました。
展示ブースでは、ガイドブックの外来生物編と淡水魚編の最新2作と共に、菟道高校科学部の「宇治川におけるヌマチチブの寄生虫」の研究発表のポスター掲示で華を添えています。解説には、大野和宜会長ら8名の盟友たちが参加者への対応で助けられました。唯一残念だったのが、生き物展示まで手が回らなかったことで、ナチュラリスト仲間たちの出展ブースが羨ましく感じました。(関連写真①~④)
そして忙殺の7月、今年も第一土曜日恒例の今池川でカメや魚捕りの観察会が開催されました。かつてはダルマガエルの発見もあった隣接農地も新名神の工事でなくなり、流域のしゅんせつ工事の影響か魚の種類と生息数も減少傾向にあるのが気がかりです。富野小学校と寺田南小学校の教諭時代から野外実習授業のフィールドとされてきた野村隆俊先生は不動の講師ですが、淡水魚の専門家・林博之先生に竹野功璽さんたち豪華な講師陣も、猛暑の影響か参加者が少なく、成果もいまひとつで残念でした。翌週12日の木津川定期調査では、淡水魚の成果もかすむ希少鳥類・アカショウビンの鳴き声を、夜明けの朝もやの中で確認して貴重な生息記録を「南山城鳥類目録」に追記するという幸運がありました。(同⑤~⑨)
更に翌週の土日は、エコキッズの夏の祭典があり、今年も産卵したヒバカリなど生きた教材を持参し、乗り乗りパフォーマンス講座で発散しましたが、サイエンス教室のベテラン講師・山岸忠昭先生と初参加の玉木美帆先生がヘビやスッポンにハマって傑作でした。もう何年間もご一緒している山岸先生とは、講演時間が重なってステージを観て頂く機会がなかったのですがこれを機会に交流が深まり、早速、新聞紙アートのなんめんよしこさんの作品展にもお越し頂きました。(同⑩~⑭)
そして、太陽が丘の超人気イベント、夜の昆虫採集会に向けて参加者に進呈するカブトムシ・クワガタムシ採りの日々が始まりました。(同⑮⑯)
7月23日に巣立った市役所のケリの経緯に触れられぬままとなりましたが、以下後編で。