【第379号】2026年新春、鳥人ナチュラリストとして再始動(下)

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【中川宗孝(環境生物研究会・城陽環境パートナーシップ会議)】

鳥人ナチュラリスト復活で迎えた2026年、元旦から木津川河川敷フィードの最長2時間コースのルートセンサスでは僅か19種類(前回の18種類を訂正)を確認できただけで、やはり気楽なバードウォッチングでは不完全燃焼で追認調査を始めています。近くの五里五里の丘や青谷梅林、メインフィールドだった巨椋池干拓田と木幡池に宇治川や宇治田原町などにも足を運び、以前のフィードノートには及びませんが鳥メモを執って鳥類目録改訂の際の資料とします。久しくの野鳥調査、鳥の種類だけではなく生息個体数もかなり少ないのが気がかりです。

さて、新年1月の活動カレンダーは、18日に宇治市植物公園で開催されるイベント・外来生物クビアカツヤカミキリの講演に始まります。昨年6月の城陽パートナーシップ会議の総会後のミニフォーラムでもお世話になった京都府の担当官・河村勇輝さんに、今年もPS会議で防護活動に取り組み尽力する報告と、最新情報の収集を目的にガイドブック・外来生物編に新作クリアファイルなどを参加者に資料配布して協力しています。

そして22日には、野外において園児たちに身近な昆虫や草花などを観察する授業を担当している「里の西保育園」で、生きた教材で学ぶ「生き物教室」の楽しい室内イベントが控えています。ナチュラリストのこうした教育現場での環境学習指導にも、PS会議の全面支援があり、サポーターや関連資料の配布で協力頂いています。

また、こうした啓蒙活動の中でも、マスコミ報道は責任の所在がはっきりとした公的意義の大きい公式な文献資料となることから、新聞報道は有効な手段として重宝しています。現在ではSNSなど容易に情報の発信ができて見られる反面、フェイクや利害関係などの雑多な情報を判別して信頼できるものを選んで活用する「リテラシー」が求められている中、新聞の果たす役割は大きいことが分かります。ナチュラリストのモチベーションも、『ツチノコ発見!』をマスコミで全国発信し、YouTubeにあふれるツチノコ情報に鉄槌を加えて笑顔の引退を願っています。

これまで、個性豊かで生き物や自然保護に理解が深い熱心な新聞記者たちに育てられ、胸を張れるたくさんの資料記事を残すことができました。幸運な発見や野鳥保護に環境保全の功績を掲載頂いたマスコミ資料は、マニアと紙一重のナチュラリストに研究者の自覚と誇りを与えてくれ、取材の際の資料の準備で学んだたくさんのことが現在に活かされています。そして、こうして自身で発信する手前味噌な連載記事も、衆人の目を経て次代に引き継がれる文献資料となることに感謝しています。多趣味な夢多き学生時代、憧れの職種のひとつが新聞記者であったことを思い出しています。

昨年も京都府の希少野生生物に指定のナゴヤダルマガエルにヤマトサンショウウオを、それぞれ南山城村と京田辺市で発見した記事や、ガイドブック・外来生物編やクリアファイル・環境指標生物編の完成を本紙で報じて頂きました。京都新聞でも、大阪の高槻市まで同行取材頂いてクビアカツヤカミキリの特集記事を掲載頂くなど、マスコミ効果に後押しされて頑張ってきました。今回も京都新聞の後任記者からその後の取材が入り、タイムリーな「里の西保育園」の生き物教室に来て頂き、日頃は自身の写真や記録を残せない活動をベストショットと多彩な内容の大きな記事が26日付で掲載されました。

早速、元京都新聞南部支社長の大橋晶子さんから『中川さんの笑顔もさることながら、スッポンを見つめる女の子のきらきらした瞳が、生き物への関心を物語っていてすてきですね。』との嬉しいメールが届き、ナチュラリスト仲間たちにも大好評で生き甲斐となっている150人の可愛い孫たちとの交流に華を添えてくれました。

こうした活動記録も今後いつまで元気で発信できるかと考えたとき、これからは各回の報告紙面にこれまでの足跡を振り返りながら記録を残すことを心がけ、総括となる特定の生き物や活動成果の報告も残すことを心がけたいと考えています。3月20日には、1990年代の関西学研都市のオオタカ保護問題の舞台となった「けいはんな記念公園」を会場に「きょうと☆いきものフェス! 2026 」が開催され、PS会議では年間最大行事のひとつと位置付けて今年も参加致します。これを機に、日本鳥学会を動かし開発地の自然林23㌶の保全を勝ち得た「南山城のオオタカを守る会」の活動記録の詳細をお届けできたらとも思っています。ご期待下さい。

2月には11日の「京都環境フェスティバル」に15日の「さんさんフェスタ」を控え、新作クリアファイル・野鳥編の製作発表に向けて準備を進めています。野鳥観察のモノサシ鳥を基準に、身近で見られる27種類の鳥の選定など、竹内康さんと竹野功璽さん、事務局の薮内係長共々、野鳥写真家の山中十郎さんの協力を得て完成も間近です。当初はバーコードで鳴き声再生も予定していましたが、予算の関係で割愛されたのは残念でしたが、またひとつ自慢の啓蒙資料ができました。2月21日の冬期恒例「古川自然観察会」での配布を予定しています。お楽しみに。

こうした日々充実の新年1月、前回同様紹介しきれない厳選写真に、富士鷹なすびさんの野鳥暦と山中十郎さんの野鳥写真を添えて綴る活動報告後編・フォトレポートにお付き合い下さい。

◎令和8年1月の活動日記・後編

1月18日、宇治市植物公園で開催された外来生物・クビアカツヤカミキリの京都府の担当官・河村勇輝さんの講演は、一昨年来、防護活動に取り組んできた城陽環境パートナーシップ会議では最新情報を得る必修イベントです。そして、主催者の植物公園園長・魚住智子先生には、「ガイドブック・植物編2019」の監修でお世話になったつながりもあり、今回もガイドブック・外来生物編に新作クリアファイルとパートナー通信などの関連資料を持参し、講演会参加者への配布で協力しています。

植物公園では1月22日まで「絶滅危惧植物展」が開催されていて、関連イベントとして長澤淳一氏による「近畿地方の稀少植物」と河村勇輝さんの「クビアカツヤカミキリの被害を食い止めるために」の講演会が開催され、本城隆志市議共々参加しました。書家で絵画も描く本城さんには、啓発用のクビアカツヤカミキリの作品を依頼しており、昨秋の「城陽市環境フォーラム」に続いて披露しています。あらためて「侵略的外来生物・首紅艶天虫」の作品名を入れて活用予定ですが、出番がないことを願っています。(写真①②)

今では植物とは縁遠いナチュラリストも、高校時代に加賀の白山登山で高山植物のとりことなり、卒論も「高山植物の水平分布と垂直分布」でした。北海道の大学への進学の要因ともなり、日本のエーデルワイス・レブンウスユキソウとの出会いは忘れられない思い出です。そんな礼文島ゆかりの「レブンアツモリソウ」を長澤先生がスライドで紹介され、熱い想いがよみがえりました。講演後の質問タイムで、シカによる植生の被害と対策をお尋ねしましたが、柵で囲うなどしか方法がなく、早急な駆除が求められている現状を再確認しました。(写真③④)

また、1990年の春には学研都市のオオタカ調査の折りにモウセンゴケの群生とサギソウ・トキソウの生息地を発見し、龍谷大学の土屋和三先生を紹介頂き現地案内しています。当時は珍しかったカラー版で、毎日新聞夕刊一面トップで報じられました。また、2007年には京都府レッドデータブックの植物を担当されている同志社大学の光田重幸先生と、城陽市の青谷川流域の総合調査で筆者は鳥類と淡水魚を担当し学会発表しています。こうした畑違いの植物学者たちもナチュラリストの心強いアドバイザーとして交流があり、土屋先生に魚住園長・光田先生を囲んでの記念写真は、2023年3月5日の今回同様の「絶滅危植物展」で「地域の自然の現状と再生への試み」と題した土屋和三先生の講演会にナチュラリスト仲間たちと駆け付けた時のものです。(写真⑤⑥)

そして今回、参加者の青年から『造園業者として植物公園園長の魚住先生にお世話になっている、もう35年も昔の塾の教え子です。』との挨拶を受け、瀬野君の中学時代を思い出しては感慨にふけりました。(写真⑦) 当時の中学生たちと木津川でゲンゴロウブナのアルビノを発見しての新聞報道や、ガラス瓶で足に大ケガを負わせたことなどナチュラリストの草創期を思い起こす機会となって元気がでました。

そして現在はエコキッズたちとの交流を生き甲斐に、環境学習指導や自然観察会、科学教室などを年間重要イベントとして最優先で取り組んでいます。2020年度から「里の西保育園」の専属として迎えて頂いた石田實先生とも久しぶりにお会いして、ナチュラリストの幼児教育の一端を取材頂いた記者共々、園児たちに披露したスッポンの有効活用の懇親会の約束をしてきました。(写真⑧⑨⑩⑪) 初めて太陽が丘に観察に行ったときのこと、コガネグモの巣の前で「クモの巣はこんなにベタベタなのに、なんでクモはひっかからないんだろう ?」との問いかけに、園児の完璧な返答に度胆を抜かれたエピソードなど、あらためての詳細報告で記録に残したいと考えています。

日課となった木津川フィールドの野鳥調査で、31日の末日になってようやく絶滅危惧種の猛禽類・ミサゴを確認しました。午年の今年、この日が「国際シマウマの日」であることを知り、ムツゴロウ動物王国でシマウマの風太に振り落とされたことを思い出しながら、根っからの鉄道マニアでもある筆者、憧れの近鉄特急しまかぜの鉄橋通過を見送り、日本の国鳥・キジが描かれた1月の暦を終っています。(写真⑫⑬⑭)

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