迎春準備も地域連携の時代/城陽 大しめ縄作り
大しめ縄の編み方を指導する鴻ノ巣山を守る会のメンバー

城陽市のボランティア団体「鴻ノ巣山を守る会」(梅川甚三郎会長)は普段、水度神社で年2回行っている大しめ縄作りの手法を、隣りのまちの氏子総代にも伝えよう―と14日、初の編み方指導を久世神社社務所前で行った。梅川会長は「2~3年、指導を続ければ、久世神社の氏子総代だけで迎春準備ができるでしょう」と、伝承活動に意欲を示した。
鴻ノ巣山を守る会は2004年に発足し、現在の会員は約30人。毎月、鴻ノ巣山散策道で定期活動を行い、サクラやツツジの植樹など鎮守の森の保全活動に努めている。
さらに、13年からは水度神社(水田清比古宮司)=寺田水度坂=の秋の祭礼とお正月前の年2回、参道2カ所にある鳥居や社務所前の大しめ縄を新調する取り組みも行っている。今回は、その熟練したワラの編み方を学ぼう―と、久世神社(水田清文宮司)の氏子総代から指導依頼があった。
氏子総代11人のまとめ役である中村治さん(78)=久世芝ケ原=は「しめ縄作りを委託していた業者から、作業する人が高齢化したので…と断られ、どうしようかと考え、地域のつながりで守る会から指導を受けることにしました。子供の頃に編んだことはありますが、いざ作業してみるとなかなか難しい」と話した。
指導役を快く引き受けた守る会の梅川会長(74)=寺田北東西=は「編む者2人、ワラを渡す者2人、真ん中で縄を調整する者1人の5人のコンビネーションが大事。最初は、何回もやり直して形を整えていけば、良いと思います」と笑顔でアドバイスした。

長さ3・6㍍の大しめ縄を完成させた「守る会」と「久世神社氏子総代」たち

大しめ縄は、長さ3・6㍍、最も太い所で周囲28㌢。「真ん中は太く、両端は細く」仕上げると見栄えが良くなる。
守る会5人、久世神社氏子総代7人で午前9時から社務所前で始めた作業は、5時間後の午後2時過ぎに、大しめ縄4本などが完成。中村さんは「12月29日に久世神社の本殿と社務所、鳥居2カ所に取り付けたい。その時もまた、守る会の人に来てもらいます」と安どの表情。守る会の梅川会長は「氏子総代の皆さんが、真剣に取り組んでいただいたおかげで、作業をスムーズに行えることができました。2~3年指導すれば、独自で迎春準備ができるでしょう」と話していた。