京田辺市商工会の「オンライン展示会」対策セミナーと個別相談会がそれぞれ10月中に開かれ、地元事業者たちは、コロナ禍、オンライン開催となるボリュームあるメッセ(見本市)で注目を集める手法の理解を深めた。新型コロナウイルスの影響で、目標の「けいはんなビジネスメッセ」「ナゴヤメッセ」はオンラインに切り替わり、〝魅せる〟〝引き付ける〟準備を万端にしようと努めた。
京田辺市は2014年、日中ものづくり商談会で得られた成果をベースに、商工会、中小機構近畿、京都産業21、学研都市推進機構と連携し、「京田辺中小企業売り込み隊」を結成。展示会への合同出展をはじめ、中小事業者のマーケティング、販路拡大をサポートしている。
今年は、春先からのコロナ感染拡大で数多くの展示会が中止、あるいはオンラインにスイッチ。対応が求められる中、オンラインとリアルの相違、企業の製品、強みの見せ方、コンテンツの作り方など全般を扱う対策セミナー、個別相談会を企画した。
はじめに、これまで商工会と協働の取り組みがあるプレゼン・組織開発コンサルタントの新名(しんみょう)史典さん(㈱Smart Presen代表取締役)が「オンライン展示会で〝魅せる〟〝商談する〟方法を学ぶ」の題で講義。オンラインでも会場を歩く見せ方の「けいはんなビジネスメッセ」(先月27・28日)に典型を見る仕様も例に、「見てもらうことを通じて、疑似体験してもらい、次に会うきっかけにできるか」などとポイントを挙げた。
実体験の次に、「動くもの」「映像」が人の記憶に残りやすく、「タイトルにもっとも言いたい結論を表現」し、図解や色、文字のメリハリなどの具体的なテクニックにも触れた。
セミナーには約20人が参加。これまでの「対面」から頭を切り替える転機に―と、じっくりと耳を澄ませた商工会員の事業者4人が個別面接も申し込み、新名さんとマンツーマンのやり取りに脳内イメージを膨らませた。
ゴム製品やアッセンブリーなど工業製品を手掛ける事業者、映像制作の若手らが後日、参集。もう一つの目標となるナゴヤメッセ(今月16日~12月11日)出展に向けて、自信あふれる内容にしたい―と、分からないことも恥とせず、新名さんに根掘り葉掘り聞き込んだ。
「業界は狭い。どういう点をアピールするか。以前に作った10分動画にパワポ、静止画入れようかなあ」と尋ねる事業主に新名さんは「動画は3分以内」とコツを説いた。事業主の話に真摯に耳を傾けた新名さんは、PRできそうな製品の効能や長所をより引き出していった。