企画展「源氏物語と工芸」/2月15日まで・宇治市源氏物語ミュージアム
「朝日焼 源氏物語宇治十帖の内 橋姫 香合(琵琶・筝) 十五世松林豊斎作 平成時代 源氏物語ミュージアム蔵」

宇治市源氏物語ミュージアム(家塚智子館長)で、企画展「源氏物語と工芸」が開催されている。
『源氏物語』を題材にして制作された着物や陶磁器、漆工作品など、29件・35点が展示されている。
作品は主に現代のもの。担当の学芸員・坪内淳仁さんは、「見る人の中で物語の世界が広がり、作品と対話ができる」と魅力を話す。
朝日焼「源氏物語宇治十帖の内」を冠した10点は、十五世松林豊斎作。「橋姫」から「夢浮橋」まで、各帖にインスピレーションを得た香合や水差、茶碗などがある。このうち、宇治の八の宮邸で楽器を演奏する大君・中の君姉妹を薫が垣間見る場面が知られる「橋姫」からは、琵琶と筝をかたどった香合2点。朝日焼独特の柔らかな風合いや、赤・灰色の発色は、薫の恋模様か。

「帯 源氏物語 巻五十一 浮舟 東矢千嘉子作 平成時代 源氏物語ミュージアム蔵」(部分)

漆工作品「末広がり八角瓜形三段重 藤袴」(下出祐太郎作)は、全面に藤袴の文様が描かれ、片面に男性を表す冠、反対面に女性を表す檜扇が描かれる。地の薄紫色も美しい。
本友禅(手描き友禅)の作品は、東矢千嘉子作の帯や訪問着。東矢氏はライフワークとして、『源氏物語』54帖を着物と帯で表現している。このうち「浮舟」をテーマとした訪問着は、水しぶきや渦が描かれる。男女を描く帯と併せ、波乱の運命を暗示か。
途中展示替えがある。前期は18日(日)まで、後期は20日(火)~2月15日(日)。
午前9時~午後5時(入館は4時30分まで)。月曜(祝日の場合はその翌日)休館。
観覧料は、大人600円、小人300円。問い合わせは同館℡0774‐39‐9300まで。