まちのイメージアップや情報発信に向け、官学連携協定に基づく事業を展開している城陽市と学校法人瓜生山学園「京都芸術デザイン専門学校」=京都市左京区北白川=は20日、減塩のまちをPRするステッカーやのぼりのデザインに関する最終プレゼンテーションを行った。塵も積もれば山となる…この諺(ことわざ)を逆転の発想で「塩も積もれば山となる」と警鐘を鳴らすものなど、若者の感性を存分に生かした作品が揃い、審査員の奥田敏晴市長らも、行政の堅苦しいイメージを一新する「分かりやすく」「親しみやすい」デザインに込められた学生の熱い思いに耳を傾けた。
城陽市と同専門学校は2015年度に市HPのデザインや市PR冊子の作成で官学連携事業を開始。翌16年度は「読みやすく、分かりやすい広報紙作り」、17年度は市制45周年記念・市勢要覧の「表紙・レイアウト」、「企画ページ」、お茶の京都・食の祭典PRポスター、18年度は市内「案内看板・統一デザイン」と「庁内案内サイン」そして昨年度は「名刺デザイン」と「マイクロバスラッピング」、「市HPトップページ」の一新に若者から提案を受け、対外的なイメージアップにつなげている。
今年度は、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、学生らによる城陽市内見学などは見送られた。しかし、市職員が昨年11月に同校内で行われたオリエンテーションに参加し、市の概要や官学連携事業の基本的な考え方を学生らに説明し、取り組みがスタートした。
西庁舎3階のオンライン専用「301会議室」で開かれた最終プレゼンには、同専門学校ビジュアルデザインコース2年生26人と担当教員らが参加、そのうち市による1次選考を通過した5人がオンライン会議システム「ZOOM」を活用し、自宅等から自らのデザインを熱っぽくアピールした。
審査には、奥田敏晴市長をはじめ吉村英基福祉保健部長、長谷川雅俊企画管理部次長、梅村利子健康推進課課長補佐の4人があたり、プレゼンを聞いて感じたことや学生の頑張りを称える言葉を一人ひとりに寄せた。
講評に立った奥田市長は「本日はリモートでのプレゼンテーションだったので直接、皆さんにお会いできなくて残念でしたが、デザイン作成に込められた想いは十分に伝わってきた。わずか3カ月で、ここまで高い完成度に仕上げられ、我々、行政職員だけでは思いつかないような斬新なアイデアが随所に見られたことに感動している」と、最大限の賛辞を送った。
最終プレゼンに進んだ5案のうち、どの作品を採用するかは、この日に決定されることはなかったが、どれも力作揃いだけに、今後どのようなステッカーやのぼりが仕上がるか…興味深いところだ。