東日本大震災の発生から丸10年を迎えた11日、地元のFMうじなど府内のコミュニティFM9局が合同で特別番組「防災リレートーク
東日本大震災から10年の記憶」を生放送した。震災発生時刻の午後2時46分18秒を迎える時間帯に、未曽有の災害の記憶を語り継いだ。
地域の暮らしに密着した災害情報を提供するコミュニティ放送局がタッグを組んだ初の取り組み。京都での大規模災害を想定し、局同士で連携を深めるとともに、東日本大震災の教訓から未来の災害に備えた。
各局別の生放送の間に、インターネット会議システムZoomで7局のスタジオをリレー形式でつなぎ、震災時の局での対応などを紹介した。
FMうじでは、福島県郡山市出身のパーソナリティ、喜田晶子さんが番組を進行。自身の故郷の様子や、番組内で東北の人に電話出演してもらったエピソードなどをたどり、災害は他人事でないことを訴えた。
災害への心構えとして、喜田さんは「自分たちの住むまちに関心を多く持つこと」と説明。いつもと少しでも違うことを見つけた時、聞いた時にはすぐに局に知らせているといい、「それが大きな災害防止にもつながる」と語った。
局オリジナルの放送枠の終盤には、先月13日に福島県沖で地震が発生した際の故郷の様子を説明した。被災経験を生かして家具の転倒防止策を講じていたり、家の基礎工事を強固にしたりしていた家庭が多かった一方、震災の記憶が風化している現状を指摘した。
津波で母と娘を亡くした当地の人が「10年の節目を迎えたこの時に大きな地震があったことは、意味のあること。気持ち的にも、物質的にも、見直すきっかけになったと感じた」と話したエピソードも紹介。「私たちも他人事ではなく、自分に起こるかもしれないと考えておくことが必要」「優しい気持ちと心に余裕を持つことで、手を差し伸べる人の手をしっかりとつかめる心を持っていきたい」と言葉に力を込めた。