農地を市街化しようとする京田辺市大住土地区画整理組合の設立総会が29日、同市田辺鳥本にあるJA京都やましろ本店で開かれ、前身の結成から14年という歳月を経た大きな一歩にさまざまな思いをめぐらせた。新名神・第2京阪・京奈和という3高速道路のインターチェンジに近く、京田辺市内でもとりわけ工業流通拠点としての魅力たっぷりな地域は新たな未来予想図に夢を膨らませている。
今月10日の京田辺市大住土地区画整理組合の設立認可を受け招集された総会には、コロナ禍、組合員87人(書面・委任含む)が出席した。
計画地はこれまで農地だった約13㌶で、京奈和道田辺北インターまで約800㍍、新名神と第2京阪の八幡京田辺インター・ジャンクションまで約3・2㌔と交通利便絶好のエリア。隣り合う大住工業専用地域(工専)は市北部で工業系企業が集積し、既存の広域幹線道路に加えて新名神全線開通も間近に迫り、主要都市や関西空港に直結する高速道路網を生かす工業流通拠点としての明るい展望も開ける。
地元でも近年、営農者の高齢化や後継者不足により市街化への声が高まる中、2007(平成19)年に「大住地域の明日を考える会」が発足。10年には大住土地区画整理組合設立準備委員会を結成し、その後もまちづくりの協議を重ねて今年1月に市街化区域へ編入される一方、昨年中に準備委、物流不動産の㈱シーアールイー(エンドユーザー)、㈱ファームシェア(業務代行予定者)の3者で事業推進に向けた覚書を締結した。
総会では、はじめに設立認可申請者代表の古林貢(みつぐ)さんが挨拶に立ち「12人が14年掛けてここまでやって来た。周りのご協力のもと、市より設立認可をいただき、これまで携わっていただいた方々に感謝でいっぱい。一つの区切りだが、これからが本当の始まり」と声を強めた。
来賓の上村崇市長は「並々ならぬ尽力でこの日を迎えられた。深く敬意を表したい。市で初めて地権者組合員が中心となり取り組む組合施行の土地区画整理事業は、大住工専、高速道路網と絡めた大きなインパクトを生かせる。事業の支援を継続し、サポートしたい」と述べ、松村博司市議会議長も祝辞を添えた。
このあと、設立までの経緯を報告し、要した費用を承認。諸規程や役員選任などの議案審議を行い、組合設立に導いた12人の中から定款にある9人の役員を選任した。
今後、約2年間を掛けて整地や道路、調整池などの工事を進め、26年3月末の組合解散を予定している。