「救給カレー」お味は?/宇治田原で災害食体験
食器要らずのメニューのため少し戸惑いも

宇治田原町の2小学校で12日、災害食「救給カレー」の試食体験会があった。児童たちは、初めて学校で食べる非常食に様々な反応を見せた。

「救給カレー」袋を開けてそのまま食べます

救援物資が届くまで命をつなぎ、給食を救う…と称した「救給カレー」は、東日本大震災を教訓に、全国の栄養教諭たちが開発した非常食。3年前の6月に起きた大阪北部地震の時には、ガス供給が止まった京田辺市の大住小と三山木小で、通常給食に代えて実際に提供したことがある。
この日の午後0時30分ごろ、宇治田原小学校(加茂田実校長、227人)では、4校時を終えた各クラスで給食の準備が始まった。非常用のカレー…と聞いた児童たちは、先生へ「どうやって食べんの?」と少し心配げに尋ねていた。
5年2組の教室でも、温めた「救給カレー」とサラダが各自のトレーに置かれると、担任の先生が「災害で給食が作れなくなる場合があります。避難訓練と同じような練習です。パッケージを立たせたまま、開けて食べてください」と説明した。
いただきますの挨拶で、初めての災害時給食がスタート。「救給カレー」の袋を開けた中身は、うるち米を使った「カレー味のご飯」で、料理でいうと「おじや」または「リゾット」を食べる感覚に近かった。

パクパクと2袋を完食。食べすぎた?

ただ、子供が普通に思い浮かべるカレー(ライス)とは違って、汁気がなくベッタリ・モッチリした食感に慣れなかったためか、スプーンを運ぶ手の動きがゆっくりになる子たちが何人か見られた。
それでも「災害の時のカレーだからまずいと思ったけど意外とおいしかった」と狙い通りの感想も上がり、ある児童は2袋目をゲットしてパクパクとカレーをほおばっていた。
同校の栄養教諭によると、災害時の給食としてシチューの備蓄もあり、カレーと合わせて2日(2回)分の提供ができるよう空き教室で保管しているという。今回の消費分は、新しい物を補充して数量と鮮度を保たせる「ローリングストック」で万一に備える。
教諭は「シチューはおかずのみなので、何らかの形でパンを用意するようにして、次回の災害食体験に使いたい。年1回は実施したい」と話していた。