世界遺産の平等院(宇治市宇治蓮華)で、夏の風物詩「平等院蓮」が開花した。8月上~中旬くらいまでが見頃。
約20年前に行われた鳳凰堂を囲む阿字池の発掘調査で、江戸時代後期の地層から1粒の蓮の種が見つかった。市植物公園の協力で開花に成功。出自にちなんで「平等院蓮」と命名された。
先端が紅色のつぼみから、だが、開くと純白の花を咲かせる珍しい品種。透けるように薄い花弁が特徴。鳳凰堂の本尊・阿弥陀如来坐像の背面にある壁画「仏後壁」(国宝)にも、そっくりな形の花びらが描かれているという。
平等院には何度も足を運んでいるが、蓮のことは知らなかったという今井叔子さん(81)=京都市左京区=は「テレビで見ました。江戸時代から200年間も種が生きてたんですね。植物は素晴らしい力を持っていると思いました。感動します」と話していた。
境内に「平等院蓮」を含め、約15種類55鉢を展示する。庭園は午前8時30分~午後5時30分まで。拝観料が必要。