まだ食べられるのに捨てられる「食品ロス」をゼロに―と、活動する『フードバンク京田辺』(佐野良一代表、42人)。市社協の協力を得て、共に取り組む団体・個人の掘り起こしに努めている。今月初め、フレスト松井山手店=京田辺市山手中央=でも、買い物客にアピールして回収を始めた。
フードバンク京田辺には、余剰食品の供給元となる関連19団体をはじめ、市内外の数多くの団体・個人が関わっている。
活動開始から2年が経過。まだ食べられるのに捨ててしまう状況を課題にとらえ、買いすぎや作りすぎ、もらっても食べない、など日常で大量に発生する「食品ロス(もったいない)」を「支援団体(ありがとう)へ」のスローガンも声高に活動を繰り広げている。
各家庭をはじめ、小売店、食品メーカーなどが提供する食品を集め、市社協と連携し、仕分け・管理して必要とする団体などに提供する。
対象となる食品は、常温保存ができ、賞味期限が1カ月以上ある未開封のもので、棚卸しや仕分けなど必要日数から逆算した。
代表的なものは、コメやパスタ、乾麺、餅、インスタント食品、レトルト食品、缶詰、油、しょう油などの調味料、のり、お茶漬け、ふりかけ、お菓子、非常食など。
中でも、家庭で余った食品を持ち寄せる「フードドライブ」を呼び掛け、個人、団体の輪をさらに広げよう―と、取り組んでいる。
市内の同志社国際中・高校、木津川市の同初等科では年2回、京都生協京田辺店=花住坂=では毎月1回の取り組みを行う。
ほかにもアル・プラザ京田辺のほか、今年6月にダイエーくずはモール店=枚方市=でも初めて呼び掛けた。
■買い物客に積極アピール
そして今月4日、市北部のフレスト松井山手店で始まったフードドライブは、同店を運営する㈱京阪ザ・ストアの系列店でも初となる取り組み。
吉田誠一店長は「グループの理念に沿う。普段、発注や製造の数量を注意し、廃棄をなくすよう努めている。フードドライブはお客様と一体となってできる。社内でも注目されている」と胸を弾ませる。
初日、買い物客にアピールした大学3年生の清本はつ夏さん=同市=は「飲食店でアルバイトした時に食品廃棄を見てきた。前向きに活動を続けたい」、早田順子さん=同市=は「好意的にチラシを受け取ってもらっている。買い物が課題になる一人暮らしの高齢者にも食品が行き渡ってほしい」、副代表の荒川清さんは「定着させたい。もらう方も楽しみにしている」と述べる。
リーダーの浅山貴宏さんは「長く続けたい。新たな場所でできるのは組織が認められた証し。じわじわと広げていきたい」と強調する。
同店では毎月第1土・日曜、サービスカウンター前で回収。近隣宅へポスティングも行い、早速、買い物客が寄付する姿も見られた。