万が一に備えて救命方法学ぶ/久御山「消防マイスター講習会」
消防職員から胸骨圧迫のコツを教わる受講者

久御山町消防本部(内座元巳消防長)は13日、「消防マイスター講習会」を開いた。中高生ら計13人が普通救命講習、消火訓練、災害時対応講習を通して、負傷者の命を救う方法を学んだほか、防火防災意識を高めた。
この講習会は、同本部が今年度から実施する新たな取り組み。町内の児童・生徒に地域防災の重要性や、命を守るための技術を習得してもらうことなどを目的に実施している。
今回は「1級講習会」。冒頭で橋本修署長が「講習でたくさんのことを覚え、もしもの時には自分の命、家族、友人など大切な人を守って」と参加者を激励した。
前半の普通救命講習では、心停止に陥っている人を救う心肺蘇生法やAEDの使用方法を学んだ。
心停止状態の人を発見し、意識がなく普段通りの呼吸もない場合は、周囲の協力者に119番通報、AEDの持参を呼び掛け、全身に血液を送るための胸骨圧迫(心臓マッサージ)を直ちに施すよう指導を受けた。胸骨圧迫では1分間に100~120回、重ねた両手で5㌢ほど真下に絶え間なく圧迫することを教わった。受講者はリトルアン(心肺蘇生練習用の人形)とAEDを使って、発見から胸骨圧迫までの一連の対応を実践。通報から救急隊が到着するまでの約8~9分間、現場にいる人の適切な処置がその人の命を左右することも心に刻んだ。
また、学校でのクラブ活動などで打撲、骨折、脱臼といった負傷者が出た場合に行うRICE(Rest=安静、Icing=冷却、Compression=圧迫、Elevation=挙上)処置を学んだほか、熱中症が腎臓に後遺症を残すことがあることも知り、体表冷却、水分補給といった手当の重要性を心に留めた。
三角巾で腕を吊る方法、負傷部位を安静に保つための副子固定の方法、直接傷口を清潔な布などでしっかり押さえて止血する方法も実践した。

消防車両をバックに記念撮影

講習の後半では、消防服を着用しての放水体験や、災害時の危険回避の方法などについての知識や技術を学習。講習を終えた受講者に橋本署長から認定証が交付された。
久御山中学校3年生の小原心くんと大宮理心くんは「この講習で僕たちでも身近な人、大切な人の命を守れることに気付けた」といい、実際に万が一の事態に遭遇した時は「きょう学んだことを生かします。大丈夫です、任せてください」と頼もしい言葉が聞かれた。