追い綱を使わずに鵜を水辺に放つ漁法「放ち鵜飼」の見学会が25日、お茶と宇治のまち歴史公園内、宇治川太閤堤跡の復元池で開かれた。
この20年の間、国内で開催されていない放ち鵜飼。来春のデビューを目指し、人工ふ化で誕生したウミウの「ウッティー」が、3カ月以上にわたってトレーニングを重ねた。
この日は、茶づな2階の会議室で関係者向けの説明会が開かれた後、菟道小6年生の児童たちが鵜匠の沢木万理子さんによる講座を受けた。ウッティー誕生の瞬間や人工ふ化の様子などを映像を通して学んだ。
実演の時間では、松村淳子市長と市観光協会の中村藤吉会長が挨拶。関係者と児童ら約70人が見守るなか、沢木さん含めた女性鵜匠3人が鵜をカゴから出し、水上へと放った。なお、3人が着たのは、壁画絵師・木村英輝氏と、㈲昇苑くみひもが協力した特製の作務衣。
出番を終えた8羽のうち、一部はまだ綱が必要だったり、悠々と泳いで岸へ戻ってこない鳥もいたが、大勢のギャラリーを迎えた初めての見学会は、概ね成功と呼べるものだった。
見学した児童は「魚を吐く瞬間を間近で見られた。綱なしでも岸に帰って来るのが確認できた。人工ふ化の鵜は、野生の鵜とほぼ変わらない感じだった。飼育を担当する人の力はすごいと思った」と喜んで話した。
今後も訓練を続け、鵜匠の乗る舟まで戻ってくるのが最終目標だという。沢木さんらは「人に懐く特性を生かし、親しみやすい鵜飼を目指したい。(夏の鵜飼と違い)昼間なので、ご家族連れなどに楽しんでいただければ」と抱負を述べた。
■サボーター向け 見学会を開催
宇治市観光協会では、一般募集のサポーター「うみうのウッティー応援隊」向けに、12月16日(木)午後1時20分から、放ち鵜飼の講演会および見学会を開催予定。参加申し込みを受け付けている。
参加無料だが、実演の風景を撮影・録画し、自身のSNSで発信・広報することが条件。希望者は、住所・氏名・電話番号・メールアドレスを、フェイスブックなど観光協会のSNS公式アカウント経由で連絡するか、info@kyoyo-uji-kankou.or.jpに送信する。
定員(40人)に達した場合は申し込みを締め切る時がある。