城陽市造園建設業協会(後藤勇一会長、8社)は17日、市役所のシンボルである玄関前の紅白梅の剪定、施肥など樹木管理を奉仕活動として行った。市は、京都府内最大の「青谷梅林」をアピールすべく、1972年の市制施行時に、ウメを「市の木」に選定している。ウメの木は、サクラに比べて寿命が長く、うまく管理すると数百年は生きると言われる。市役所前の紅白梅も樹齢約50年の古木。「枯れさせてはならぬ」と毎年、プロの手入れを施し、樹勢は復活しつつあり後藤会長は「(暖かい陽気が続けば)2月下旬には開花するでしょう。紅白とも樹木は大丈夫」と話していた。
早春の奉仕活動として、すっかり定着している同協会の紅白梅剪定作業は、2005年から続けられている。以前は、市内の沿道で協会員の技術向上を目指し「街路樹剪定講習会」を行っていたが、来庁市民に喜んでもらえるように…と、この奉仕活動に切り替えた経過がある。
剪定を始めた頃は、紅白梅の樹勢が衰え、市民から「いつまで、きれいな花が見られるか」と心配の声も聞かれたが、同協会加盟業者の樹勢回復プランのおかげで、2本の古木は年々、元気を取り戻している。
この日は加盟業者全社から剪定のプロ7人が参加し、後藤会長や奥田敏晴市長、本城秋男副市長らが見守る中、伸びすぎた徒長枝(とちょうし)をハサミで切り落とし、つぼみの数を適度に整えるなど手際良く作業を行った。
この紅白梅は、1991から92年度にかけて行われた庁舎増改築・駐車場整備工事の際、現在の南側駐車場内「市民憲章碑」の両脇に移植された。
当時を知る人によると「そのうち一本は移植時に枯れてしまい(今道仙次・元市長と親交のあった)宝酒造の創業者の別邸から譲り受けた」と伝わる。
ここ最近は、同協会加盟業者の献身的な手入れのおかげで、紅白梅とも樹勢がすっかり回復。奉仕作業では、剪定だけでなく、幹から出るヤニ、木々に付いた害虫のフンもきれいに除去。さらには、木々の根元に腐葉土を入れるなど土壌改良を施し、根の部分に養分が行きわたりやすくする手入れも施した。
作業に先立ち、奥田市長は「ここは市役所に来られる市民の方々の目に付きやすい、駐車場からのメーン通り。紅白梅が咲くと、きっと喜んでいただけます。皆さんの奉仕活動に感謝します」と挨拶。そのあと、作業を見守りながら後藤会長は「ウメの花が付きすぎると、次の年はエネルギーが奪われ、木々の負担が大きくなる。その意味でも、この時期の剪定は大事」と説明した。
切り取られた徒長枝は無駄にすることなく、職員が市役所内に持ち帰り、各課窓口で花瓶に生けてインテリアに活用する。