コロナ禍で仲間の輪が小さくなっている「合唱団」の活動を何とか守り立て、勇気づけよう―という動画撮影会が企画された。呼び掛け人は日本合唱指揮者協会員である中西秀樹さん=宇治市広野町=。20日には宇治市・城陽市・京田辺市・宇治田原町の4団が収録を済ませ、近く「YouTube」にアップされる。
コロナの国内拡散が始まって2年余り。様々な活動が制限される中、合唱団もその例外ではない。
「いや、それどころか、大きな声を出す活動などもってのほかと言われ、高齢者が多い団に至っては活動を断念するところまで出てきている危機的な状況です」と中西さんは語る。
それでも先月末には、感染対策を十分に施した上で「やましろ合唱フェスティバル」が、文化パルク城陽で開かれることになり、多数の関係者が、ほっとした安堵感と大きな期待を抱いたが、オミクロン株による感染拡大のため、本番直前になって中止を余儀なくされた。
八方塞がりの状況にも思えたが、そんな時、中西さんが目にしたのが宇治市の文化芸術活動動画配信事業。
これにヒントを得て、無観客のホールでの演奏~動画収録~YouTubeへのアップ~個々での鑑賞~交流の始まり~という流れを思いついた。
「こういうふうにやってるよ~という元気な姿を他の合唱団の方々に見てもらい、勇気づけられたら」。そして「技術面でも参考にしてもらい、それぞれの団の特長を伸ばしてほしい」と願う中西さん。
初回の動画撮影会は木津川市山城町の「アスピアやましろ」グリーンホールで行われ、地元4団が参加。
トップを切った京田辺市の「大住・森のコーラス」は中西さんの指揮、片岡由香理さんのピアノ伴奏で『Greetings』『愛は消えない』などを収録した。
撮影を担当したのは「東京バロックプレイヤーズ」「Den・Haag・Piano五重奏」のヴィオラ奏者としても活躍する中田美穂さん。
音楽に対するプロフェッショナルとしての深い理解のもと、精通しているミュージック録音・録画ノウハウを駆使した。
続いて城陽市の「むぎぶえの会」が『しあわせよカタツムリにのって』などを。
宇治市の「アルモ・ポリフォニカ」は『Io・mi・son・giovinetta』などを披露し、宇治田原町の「女声合唱団コール・エミュ」は『空の端っこ』などで歌声を合わせた。