親子で生け〝2度咲き〟を/城陽市の花「花しょうぶ」を年長児に
花しょうぶの束を受け取る代表の園児たち(鴻の巣保育園)

城陽市の花「花しょうぶ」を家庭で生けて、親子のコミュニケーションを深めて―。 JA京都やましろ城陽花き部会(森島孝太部会長、14戸)は10日、市内17の保育園、幼稚園に通う年長児558人に市の花「花しょうぶ」をプレゼントする取り組みを始めた。園児や保護者にふるさとの特産品を広くPRすることを目的に、30年以上続けている。
「端午の節句」に親しまれる花しょうぶ。つぼみから〝2度〟開花することから、花持ちが良いと愛好家たちに根強い人気を誇る。
本来、露地ものは5月下旬から6月にかけて開花。しかし、生産農家は、需要が高まる男の子の節句に合わせ、4月下旬から5月上旬にかけて出荷のピークに持っていくため、ビニールハウス内での促成栽培を主流としている。
湧水花き栽培の国内4大産地の一つでもある城陽市では、豊富な地下水と温暖な気候条件を生かし、京都府内の花市場でトップシェアを誇り、そのうち花しょうぶは年間35万8000本を市場へ送り出している。
しかし、市民の認知度は今一つ。そこで、城陽花き部会では、市内にある公・私立の保育園、幼稚園の年長児全員に花しょうぶを贈り、「家族だんらんの話題にしてほしい」と希望している。
そのうち、市立鴻の巣保育園(吉川小百合園長)=寺田東ノ口=には、前部会長の岡井雄次さんとJA京都やましろ城陽支店の職員らが訪れ、代表園児に紫色の花が咲き始めた花しょうぶを贈呈。年長児らに笑顔が広がった。
岡井さんは「今年は、一本一本出来は良いが、全国的な疫病の影響で、収穫量は例年の2~3割減。花しょうぶは端午の節句をピークに、今後は生け花用に出荷し、なかなか花屋さんでも見かけないと思うので、家に飾ってほしい。子供たちが大人になって『幼い時、こんなきれいな花があったなあ…と思い出してくれれば、うれしいです』と話していた。
同部会は、11日も引き続き、花しょうぶを市内保育園、幼稚園に配り、全園への配布を終える。