城陽発ボードゲーム「コントラスト」誕生
ボードゲーム「コントラスト」を開発した中川さんと塚本さん

京都の企業に勤務しながら副業としてボードゲーム制作チーム「029プロジェクト」を立ち上げ、地域貢献にも意欲的な男性2人が、透明コマと黒、グレーのタイルを駆使して対戦するアブストラクトゲーム「コントラスト」を開発した。城陽市から認知度を高め、アフターコロナの際には大会も開きたい…との思いから市内10学童保育所とロゴスランド(アイリスイン城陽・プラムイン城陽)に計12セットを寄贈。シンプルながら、いざ対戦してみると奥深いゲームは今後、市民の興味・関心を引き付けそうだ。
どこか懐かしさも感じるアナログ感覚のボードゲーム「コントラスト」を制作したのは、城陽市久世の中川浩伸さん(33)と京都市右京区の塚本裕仁さん(29)。
2人は、副業が認められている同じ京都市内の企業に勤務しながら、ボードゲーム開発で意気投合。ともに肉好きなことから「029(おにく)プロジェクト」との名称の制作チームを立ち上げ、ゲーム性やデザインなどに検討を重ねた。
「大ヒット商品より、長く継続して楽しんでもらえるボードゲームを作りたい」との思いが結実して誕生したのが、今回の「コントラスト」。

シンプルなデザインだが、対戦すると奥深い

縦横5マスずつの白色ボードに、透明コマを互いに5つずつ並べ、対戦する2人には、それぞれ黒色3枚、グレー1枚のタイル(マスと同じ大きさ)が手持ちとして与えられる。
そして先攻、後攻を決め、コマの矢印に基づいて将棋やチェスの要領で1マスずつ動かし、相手の陣地に自分のコマが一つでも到達すれば勝利。
ただ、相手のコマを飛び越すことや、自分のコマを矢印以外の方向に進ませることができないため、なかなか思うように攻めきれない。
そこで活用するのが、黒とグレー色のタイル。原則、自分がコマを進めた後に任意で置くことができ、攻めるにしても、守るにしてもこのタイルが〝切り札〟となる。
通常、透明コマの進行方向は「前後左右」だが、黒タイルの上に乗ると「斜め四方」、グレータイルの上に乗ると「全方向」に動かすことができる。
デジタル社会が急速に進む中、子供(6歳以上)から高齢者まで幅広い世代に親しまれそうな「コントラスト」。1ゲーム10分程度で決着がつく。
コマの厚さからモノトーンのゲーム意匠までデザインは塚本さんが担当。城陽市在住の中川さんはゲームの普及に向けた戦略など広報部門を担っている。
ゲーム業界では昨年3月のゲームマーケット春(インテックス大阪)でお披露目し、同年秋のイベントで先行販売を開始。ゲーム本体は、主にインターネットを通じて販売しており、すでに第1ロット(1500セット)は完売。第2ロット(同数)も在庫は1000セットを切っているという。
 価格は1セット2420円(税込み)。興味のある人は別添掲載のQRコードから検索を。
中川さんと塚本さんは「城陽市の子供たちや宿泊施設に来た家族にも楽しんでほしい」とこのほど、市内10学童保育所とロゴスランド(アイリスイン城陽・プラムイン城陽)に計12セットを寄贈。市福祉保健部によると、学保では「高学年の児童を中心に人気を集め、順番待ちが出る人気ぶり」という。