民間の屋内プールで泳力向上/城陽・公立中学「水泳授業」
屋内プールで水泳授業に取り組む北城陽中の生徒たち

城陽市教委は今年度から、府内の公立中学校で初めて民間施設(スイミングスクール)の屋内プールを活用して保健体育科「水泳授業」をスタートさせた。老朽化が進む学校プールの維持管理経費削減、インストラクターの専門的な指導による生徒の泳力向上、教職員の負担軽減…の3つのメリットを見込む先進的な取り組み。ただ、生徒らは夏場の炎天下での水泳授業が避けられることが一番うれしいらしく、室内プールでの授業開始に「楽しい」「指導が分かりやすい」…と上々の反応だった。
きっかけは4年前…2018年度の市当初予算案にプールの老朽化により、ろ過装置に不具合が生じていた北城陽中プール(1981年供用開始)の改修費を計上したが、市の積算額と業者の見積額に大きな差が生じ、入札が不調に終わったことにさかのぼる。
一般的に、学校プールの大規模改修には、億単位の費用が必要となり、市教委は西城陽中(1974年供用開始)、南城陽中(79年供用開始)、東城陽中(81年供用開始)と、5校中4校のプールが老朽化していることや、学校施設の長寿命化計画も踏まえ検討。その結果、屋内プールを有する市内民間施設に「水泳授業」を委託し、生徒の泳力向上にあたることに…。
当初、2020年度から北城陽中を対象に実施する予定だったが、コロナ禍が直撃。2年間の時を経て、今年度から北・南城陽中の2校1、2年生427人を対象に、クラス単位(30人前後)で『90分の水泳指導を年3回』受けることになった。
委託先の城陽スイミングスクール(木村貴志代表取締役)=平川茶屋裏=は、今月から2中学校の生徒が連日、学校からバスで送迎。午前10時30分から正午まで、屋内プールで泳力別に4班に分けて、インストラクター(日本スイミングクラブ協会指導者登録完了者)が的確なアドバイスをしている。

生徒らに泳法を指導する城陽SSのインストラクター

10日には、北城陽中2年3組の生徒約30人が城陽SSを訪れ、注意事項を聞いた後、屋内25㍍プールへ。小学時代にクロール・平泳ぎをマスターしている班の生徒は「幼稚園から小1まで、ここで水泳を教わっていたので懐かしいです。クロールで腕を真っすぐ伸ばすようにアドバイスされました。それを心掛けると息継ぎまでうまくできるようになりました」と話し、泳力向上に手応えを感じていた。
木村社長は「事前アンケートで個々の能力を把握し、班分けをしました。生徒らが楽しそうに泳いでくれているので、うれしい気持ちになります」と話していた。
今年度の城陽SSでの水泳授業は、10月上旬まで続けられる。