久御山町特産の京の伝統野菜「淀大根」の出荷作業が今年も順調に進んでいる。東一口の野菜洗い場では、土を落とされた真っ白な淀大根が整然と積み上げられ、冬の陽光を浴びてまぶしく輝いている。
同町での淀大根の栽培は、早場米の収穫後の土壌を利用して行われる。酸性を好む水稲が、アルカリ性を好む淀大根に適した土壌を生んでくれるのだ。粘土質にも恵まれた土壌も相まって、煮崩れしにくく、豊かな甘味とまろやかな味わいの良品質が毎年収穫される。
今年も生育は順調。11月中旬から、東一口淀大根出荷組合(松岡均組合長、11軒)の組合員らが早朝から出荷作業を始めている。
このうち、副組合長の内田裕夫さん(71)は、午後に収穫した淀大根を土を落としやすいよう一晩、洗い場に浸けておき、翌日の午前8時ごろから一つひとつ丁寧に洗い始め、正午過ぎに荷造りを終える。1日に約250個を出荷しており、京都を中心に大阪や東京にも届けている。
1個の重さが3~4㌔の淀大根。しかも腰をかがめて一つひとつ丁寧に土を洗い落とす作業は腰への負担も大きい。裕夫さんは負担を軽減するベルトを巻きながら、「体を動かさないとね。(洗い場は朝日を正面から受け)陽だまりになるから暑い。汗だくになる」と、愛犬のハチコも見守る中、妻の洋子(62)さんと毎日の重労働に汗を流している。
裕夫さんは「すじ肉と一緒にトロトロに炊いて。肉の脂が染み込んでおいしい」と、調理法の一例を教えてくれた。〝コロナ封じ〟にも淀大根を勧める。
出荷作業は3月中旬まで続くという。