「110番の日」の10日、城陽署(森功治署長)は、アル・プラザ城陽内で、城陽地域交通安全活動推進委員ら市民ボランティアの協力を得ながら、110番通報の適正利用を求める広報啓発活動を展開した。依然として、府内でも不要不急の110番が年間5万8000件近くあり、会場では署員らが「相談事は♯9110へ」と周知。昨年10月、全国で開始されたスマホ等を使った「映像通報システム」も紹介した。
市民からの迅速・確実な通報は、事件の早期解決・犯人逮捕はもちろん、被害者の人命救助にもつながり、安心・安全のまちづくりには欠かせない。
地元の宇城久・京田辺・宇治田原・井手の3市3町をはじめ、府内各地からの110番通報は一旦、府警本部の通信指令課に入り、そこから管轄の警察署やパトロール中の自動車警ら隊へ。ケースバイケースに応じて、最も早く現場に到着できる措置が執られる。
昨年1年間の府内110番通報「総受理件数」は26万2061件。このうち、事件・事故発生時等の有効受理件数は20万4160件で、5万7901件が「間違い」「いたずら」等の不要不急の通報となる。
地元関係の有効受理件数は宇治署管内(宇治市・久御山町)1万2534件、城陽署管内(城陽市)3228件、田辺署管内(京田辺市・宇治田原町・井手町)4383件と、ウイズコロナで社会経済活動が戻りつつあることから、各署とも前年比やや増加傾向。
そのうち緊急を要さない通報は、府警本部通信指令課で処理されるため直接、影響はないが、連絡の遅れにつながることから市民・町民らに「相談事などは♯9110へお願いします」と周知徹底を図っている。
10日は、地元署で唯一、城陽署が「110番の日」の広報啓発活動を、アル・プラザ城陽内で開催。城陽地域交通安全活動推進委員、城陽防犯推進委員協議会富野支部員ら市民ボランティア16人の協力を得ながら、人命を左右しかねない通報の適正利用を求めた。
会場には、府警マスコット「ポリスまろん」「ポリスみやこ」も登場。オープニングでは、同署交通課の大籔俊介巡査部長が自慢のアルトサックス演奏を披露し、買い物客らの関心を集めた。
そのあと、署員が①何がありましたか②それはいつですか③どこでですか④犯人を見ましたか⑤今どうなっていますか⑥あなたの名前は…という110番通報時に尋ねられる基本事項を伝え「慌てず、落ち着いて…受けた警察官が順次、聞いていくことに正確に答えるようにしてください」とお願いした。
そのあと、緊急通報110番「事件ですか、事故ですか」などと書かれたチラシや啓発物品の入ったクリアファイルが、ボランティアらの手によって150セット配布。併せて、新型コロナ感染予防から「手渡しはできるだけ避けたい」、同署地域課の署員が手作りした段ボール製の設置台にクリアファイルを立て掛け、市民らに自由に持ち帰ってもらう方法も採用した。