健康への好影響、再認識/久御山「歩くまちシンポ」
歩くことの健康への効果を解説する板矢さ

全世代が「歩く」ことをテーマに健康長寿のまちづくりを推進している久御山町が、「歩くまち『くみやま』シンポジウム」を開いた。2021年11月にスタートした同事業に関心を寄せる約80人が参加し、健康につながるウオーキングへの知識を深めた。
先月25日に行われたシンポジウムでは、医療法人徳洲会「野崎徳洲会病院」の理学療法士・板矢悠佑さんが講師として登壇。〝運動やスポーツを通じて人と人がつながり豊かな人生を送るお手伝い〟をテーマに地域で活動中。この日は「ちゃんと歩けば効果倍増」と、第1部の「講演」では歩くことで期待できる効果、第2部の「実践」では正しい歩き方を紹介した。
第1部ではまず、歩くメリットを紹介。歩数が増えるほど死亡リスクが下がることを表すグラフを示しながら、1日6000~8000歩を歩くと、高齢者のあらゆる原因による死亡リスクが低下すると説明。また、歩く速さは死亡リスクとの因果関係がないことから、自分のペースで1日8000歩を目標に、町公式アプリ「夢見る健幸くみやまALUKO」の機能も活用しつつ歩くことを勧めた。
歩くことで動脈、筋肉、自律神経に効果があることも紹介。血流が増えて血管が柔らかくなったり、ミトコンドリアが活性化して血糖が下がったり、副交感神経と交感神経のバランスが良くなって心拍数が下がると説明。歩くことで、動脈硬化が抑制でき、脳卒中、心筋梗塞が予防できるとした。

正しい歩き方を学ぶ参加者たち

このように歩くことによる効能は多数あるものの、間違った歩き方はケガに直結することから、第2部では膝や腰に負担をかけない「セーフティーウオーキング」を紹介。これにはバランス力、柔軟性、筋力の3つが大切とし、足の指で地面をつかむように歩く「キャッチ歩行」という歩き方を伝授した。
参加者は、上体が前かがみになったり、後ろに反り返ったり、また、内股ねじれ、外股ねじれなどの悪い歩き方も試しながら、正しく歩く方法を実践した。
また板矢さんは、効果的で楽しい歩き方のヒントとして、1人よりも3人のグループで会話を楽しみながら歩いたり、健康や運動について話し合える仲間づくりの機会に出掛けることを勧めた。
最後の質疑応答では、ウオーキングが健康に結びつくことを学んだ参加者たちから板矢さんに盛んに質問が飛んだ。
70代の女性は「歩くことが健康に良いことが改めてわかった。ケガに気をつけて、きょう教わったセーフティウオーキングをやっていきたい」と話していた。