立春から88日目にあたる2日、宇治市宇治折居の茶業センター茶園と宇治茶会館で「宇治新茶・八十八夜茶摘みの集い」が開かれた。大勢の来場者が、茶にまつわる催しを楽しみ、緑香る新茶を味わった。
茶摘みや製茶工程、淹れ方などを体験し、宇治茶の魅力に触れてもらおうと、府茶業会議所と府茶生産協議会、府茶協同組合、茶業団体や行政で組織する宇治茶の郷づくり協議会が主催。新茶シーズンの定番イベントだが、コロナ禍で中止があり、昨年から一般参加を再開した。
午前9時30分からのセレモニーでは、府茶業会議所の堀井長太郎会頭が「この時期にしか味わえない新茶を存分に楽しんで」と呼び掛け。来賓の西脇隆俊・京都府知事、松村淳子・宇治市長、山井和則衆議院議員、西田昌司参議院議員が挨拶に立ち、祝辞を述べた。
前回同様、コロナ対策により午前・午後の2部開催で申込制としたが、感染者数の低下を受け、定員を各200人から300人に拡大。淹れ方体験でも、係員が準備した茶を飲んでもらう形式から、個別に急須で淹れる従来型に戻した。
今回は、摘みたての茶葉をホットプレートで自ら製茶し持ち帰る新企画が登場。テーブルを囲んだグループ客が「ちょっと熱いね」などと話しつつ、伝統の「手もみ」作業を体験していた。
妻が開催を知り、家族3人で来場したという飯田朋之さん(宇治市)は「初めて抹茶を点てましたが、インストラクターの方の指導が上手で、良い体験ができた」と喜んだ。
友人と3人で訪れた清水由香さん(京都市)は「駅のポスターで見かけて、ネットで調べて申し込んだ。今日が楽しみで朝5時に起きた。お茶の甘い味に驚いた。アミノ酸なんですね。普段は雑な淹れ方をしているので、家に帰って試したい」と話した。