聖徳太子が建立した―と伝わる宇治田原町岩山谷山口の東陽山巖松院(河井拓巖住職)で30日、「きゅうり封じ」が執り行われた。
真言宗の開祖、弘法大師が病気で苦しむ人々を助けるため、キュウリを用いて祈祷したのが始まりとされる秘法。
「土用の丑」の日に、病気の平癒や健康を願う参拝者が記した護符を、キュウリの実の中に入れ、河井住職が厳かに祈りを込めた。【写真】
このキュウリを持ち帰った後、3日間、体の悪い箇所などを「南無大師遍照金剛」と唱えながら1日1回、なでさする。
そして、3日目の午後、人の踏まない所にキュウリを埋め、土に還らせる…というのが習わし。これによって体の悪いものもきれいに流れる…といわれている。
コロナ禍の中では、郵送などでの事前受付も行い、祈祷したあと、寺の山に埋める…という新たな形式も取り入れ、今年も希望者のキュウリは住職が3日間、祈祷したあと土に戻す。