甘さたっぷり、完熟の味を/城陽特産イチジク収穫ピーク
完熟イチジクの実を丁寧にもぎ取る木村部会長(城陽市枇杷庄)

城陽市特産の朝採り、完熟イチジクの収穫が最盛期を迎え、生産農家が作業に追われている。京都中央市場で9割のシェアを誇る人気は今年も健在。これから朝晩の寒暖差が出てくるため、甘みはさらに増す。地元のスーパーや直売所で購入するのがお勧めだ。ただ、午前中に行かないと直売所では完売続出。台風被害も心配されたが、風雨により実のこすれ傷は発生したものの、被害は限定的。残暑も厳しく、生産農家では「今後の天気にもよるが、収穫量は例年より多くなりそう」と期待している。
市内では寺田、富野、枇杷庄、観音堂地域を中心に104戸の生産農家が合わせて約18㌶の畑で、イチジクを年間約500㌧生産。府内最大の産地をアピールすべく、市イメージキャラクター『じょうりんちゃん』のモチーフにもなっている。

朝採りイチジクをその日のうちに出荷、直売所でも販売する

地元農家らは、JA京都やましろ城陽イチジク部会(木村正樹部会長)を組織。都市近郊の立地条件を生かし、地元の強みを生かした営農を展開している。今の時期は、完熟した実を厳選して早朝4時半ぐらいから畑に出て収穫作業を始め、暑くなるまでに実を採り終える。その後、農小屋などの作業場内で、Ⅿから5Lまでの6種類に分けて新鮮な実をパック詰め、当日の昼ごろにはスーパーや直売所の店頭に商品として並ぶ。
木村部会長(57)=枇杷庄=が所有するイチジク畑でも、赤みを帯びた完熟の実の収穫がお盆ごろに1回目のピークを迎え、台風襲来から数日後に2回目の繁忙期を終えたところ。
しかし、これから朝晩の寒暖差が出てくるため、イチジクの甘さが一層増し、消費者に〝お薦め〟のシーズンが到来するという。
今シーズン、木村部会長の畑では7月23日から収穫を開始。11月末まで休みなしで忙しい毎日を過ごしている。自身は枇杷庄地域に5カ所に約1・2㌶のイチジク畑を所有。約1500本の木々を管理し、年間20㌧ほどの収穫量を見込んでいる。
「雨がたくさん降ると、収穫できないが、全く降らないと地面がカラカラになり、木が枯れてしまう」と適度の雨量に期待する木村部会長。家族、親戚のほか地域の女性ら7~8人の助けを借りて日々、収穫作業に汗を流している。
出荷先は、城陽旬菜市やJAの農産物直売所、近隣のスーパー、京都中央・南部市場など。5年ほど前からは、東京・豊洲市場にも出荷している。今池コミセン近くの木村農園「直売所」には、午前中ひっきりなしに城陽産イチジクを買い求めに来る人々の姿が見受けられる。