京阪宇治駅から徒歩4分、お茶と宇治のまち歴史公園の交流館「茶づな」前で11日、NHK大河ドラマ「光る君へ」の放送を契機とした企画展「光る君へ 宇治 大河ドラマ展~都のたつみ 道長が築いたまち~」のオープニングセレモニーが開かれた。紫式部ゆかりのまちとして宇治市が協定を結んでいる2市の市長も来賓で訪れ、大河ドラマ展の開催を祝った。
紫式部が主人公の「光る君へ」は大河ドラマ史上63作目となる作品で、これまであまり登場しなかった平安時代が舞台。同時代の武士・武家を取り扱ったものはこれまで8作品あるが、当時の貴族社会を正面からテーマとしたのは本作が初めてだという。
ドラマにも登場する藤原道長は宇治川のほとりに屋敷を構え、たびたび宇治を訪れて管弦や舟遊びを楽しんだという。源氏物語の執筆を支援した逸話も残っている。
平等院をはじめ、藤原氏とも縁が深い地域の観光資源を生かそうと、市では「紫式部ゆかりのまち宇治魅力発信プロジェクト」が始まっており、昨年3月には、市民や観光客へのPRを目的に、観光協会など24団体が参加するプラットフォーム会議を設立した。
この日のセレモニーでは、主催者を代表して松村淳子市長が、既に越前市と大津市で大河ドラマ館がオープンしていることに触れ「宇治の特徴をしっかりと見て感じ取っていただきたい」と呼び掛けると、来賓の西脇隆俊知事、山田賢一・越前市長、佐藤健司・大津市長、藤澤浩一・NHK京都放送局長が祝辞を述べた。
円融天皇の中宮・藤原遵子(のぶこ)役で、宇治市観光大使の中村静香さんがゲストで挨拶。「撮影で使った衣装や小道具などをじっくり見られる。(当時の宇治を俯瞰図で描いた書き下ろしの大判イラストなど)歴史のエリアもあり、大河ファンのみならず、多くの方がより深く宇治を知る展示になっていると思う」とアピールした。
大河ドラマ展の会場は茶づな2階の会議室スペース(期間中は一般貸出を中止)。当時の文化風俗を伝える展示やキャストの等身大パネルがあるフォトスポットのほか、4Kシアターの特別限定映像「紫式部と藤原道長・平安に紡ぐソウルメイトの物語」などが見られる。
会場出口付近には、源氏物語ミュージアムで昨年開催した「現代写真絵巻・みんなで宇治十帖」の作品を展示中。5月の大型連休後は、紫式部ゆかりの絵画や工芸品など、市民から募集したアート作品を並べる予定。
来年1月13日(月・祝)まで。午前9時~午後5時(入場は午後4時30分まで)。入場券は大人500円。茶づなミュージアムとのセット券は1000円、源氏物語ミュージアムにも入れる3館セット券は1500円。小中学生はそれぞれ半額。大河ドラマ展に関する問い合わせは、運営管理事務局℡075‐353‐0870へ。