全国で他にない鵜匠と鵜をつなぐ追い綱を使わない「放ち鵜飼」の見学会は2日、茶づな(お茶と宇治のまち歴史公園)=菟道丸山=で行われ、14人の参加者が阿吽(あうん)の呼吸に胸躍らせた。
2022年11月、同会場で始められた「鵜匠講演と放ち鵜飼見学」セット企画。
14年、国内外で初という飼いならされた環境下のウミウのペアによる産卵が始まる。
沢木万理子鵜匠はじめスタッフが力を尽くし人工ふ化に至るヒナたちは「ウッティー」と命名され、国内では01年まで島根県益田市高津川で行われたあと途絶する「放ち鵜飼」の本格実現を目指す。
親代わりの沢木さんら鵜匠はじめ、フィジカル・メンタルとも生後、密着・世話してもらうウッティーのチャレンジ。
今月に4回を予定する初日は、1926(大正15)年に復活した「宇治川の鵜飼」とウッティーの軌跡をたどる講演でスタート。
このあと参加者たちは池まで足を運び、沢木さん・江崎洋子さん・鈴木奈緒美さんの3鵜匠、舟上から後進を見守る松坂善勝鵜匠らが繰り広げる「放ち」劇に固唾をのんだ。
水の中に颯爽と飛び立つウッティーの姿を見届けた参加者たちは目の前のパフォ―マンスに見惚れた。「綱でつながれていないのに逃げていかないのがおもしろい」「7月からの通常の鵜飼も見に来たい」と声を弾ませた。