宇治市災害ボランティアセンター(代表=藤田佳也・市社協常務理事、75団体)のオンラインを併用した年度総会が8日、市総合福祉会館で開かれ、地域のつながりをいま一度確認。災害時に力を発揮する「顔の見える関係づくり」を強める。
災害ボランティアセンターは、大規模災害時に外部からボランティアを受け入れる拠点機能を担う。
同センターは、災害時の被災者支援に加え、平時から「災害に強いまちづくり」を目指して活動する府南部初の常設型センターとして、2008年3月に市社協(事務局)が設置した。
12年の府南部豪雨では、非常時体制を敷いて復旧支援に当たり、最近逝去された当時の伊藤義明代表(市社協会長)が陣頭指揮を奮った。
さらに近年では、ゲリラ豪雨や台風などが毎年のように起き、甚大な被害が列島各地を襲う。
今後迎える梅雨、台風シーズンも、短時間豪雨に伴う宇治川の水位上昇などが気になるところ。
総会は、藤田会長が開会挨拶、来賓の川口龍雄副市長(市長代理)と高桑鉄則府災害ボラセン副代表も挨拶し、さらなる活動の発展と継続を呼び掛けた。
議事では、オンラインを含む運営委員ら約40人が事業計画や予算などの議案を承認。
災害時に、個人、地域、団体、組織等のつながりの力を生かせるよう、日ごろからの様々な「顔の見える関係づくり」に取り組む―という理念のもと、ICT(メールやSNSなどの通信技術を使い、人とインターネット、人と人とつなぐ)を活用した運営体制の調査研究、団体の加入促進、PR強化の推進などを申し合わせた。
第2部は、同センター副代表の海老名典子さんが「能登半島地震災害ボランティア活動他について」の題で講演。
海老名さんは、2~5月に4回、七尾市まで支援活動へ。
「能登半島の珠洲には毎年トライアスロンの大会出場にうかがってもう20年以上」と親しみをおぼえる現地。
「発災から6カ月、復興が進んでいるように思えない。水道は出るが下水道工事は進まず今もトイレは仮設」「手付かずの島もあるようで全壊したまま。震災ごみも厳しくチェックされ毎日フル回転」「海水が浸かるようになった家や新築なのに傾いた家。道中もすんなり通れない。報道も減った」と一端を披露。
そして「できる支援をもう一度思い出し、温かい気持ちを寄せて」と呼び掛けた。