城陽市寺田の氏神として信仰されている水度神社(水田清比古宮司)で19日、新型コロナウイルスの早期終息を祈願し、地元で活躍する「ひょっとこ踊り城陽会」(伊保弘一会長、33人)による踊りの奉納が行われた。感染拡大防止のため、事前周知はせず、拝殿を周回した踊りも「間隔を空けて、短時間で」を厳守。伊保会長(73)は「世界中から新型コロナが退散することを願い、心を込めて踊らせていただきました」と述べた。
水度神社の本殿は、国の重要文化財で室町中期創建。平成から令和に変わった元号の節目をまたぎ、昨年2月から10月末にかけて37年ぶりの大改修が行われ、見事な朱色に復元された。
日ごろから地元住民を中心に多くの参拝者があり、ひょっとこ踊り城陽会では、時節柄「人が多く集まっては困る」と、水田宮司と入念に相談。事前に、市民に知らせないで、新型コロナウイルス早期退散祈願の神事と奉納踊りを挙行した。
境内には、主要メンバー12人(男5人、女7人)が参集、まずは伊保会長ら4人が本殿に迎え入れられ、水田宮司の導きで神前に玉串を捧げるなど新型コロナウイルスの早期終息をお祈りした。
ひょっとこ、おかめ、キツネなどの面を着け、赤い法被姿のメンバーらは、その後、笛や太鼓の軽快なリズムに合わせて拝殿を2周して自慢の表現力豊かな踊りを披露。いつもより、個々の間隔を空けて踊った。
太鼓を担当したこの日の最年少メンバー、中川翔太さん(17)=府立宇治支援学校高等部3年=は「うまく演奏できてよかった」と、踊りを盛り上げる伴奏に満足げな表情を浮かべた。
また、伊保会長は「ここ城陽市や宇治市はもちろん、全世界から新型コロナウイルスが退散し、感染が終息することを願って心を込めて踊りました」と、額の汗を拭いながら話した。
最後に、水田宮司を囲んで拝殿前で記念撮影した城陽会のメンバーたち。いつの間にか境内には、多くの一般参拝者が集まったが、予定通りスピーディーに祈願の神事・踊りは終了した。