京田辺市の清掃工場「環境衛生センター甘南備園」=田辺ボケ谷=に11日、上村崇市長が職員を激励に訪れ、新型コロナウイルスの外出自粛を受け、通常時の1・5倍から2倍以上というごみ収集と処理に当たる労をねぎらった。現在、収集に当たる職員26人と施設内の作業に従事する9人らは、限られた人員のもとで毎日勤務を続ける。現場のごみ集積所に出されたごみ袋に市民が手紙やマスクを添える事例も8件あり、感染リスクも少なくない職員の心を奮い立たせている。
新型コロナウイルスのこれ以上の感染拡大を防ぐため緊急事態宣言が発令される中、京田辺市環境衛生センター甘南備園では、限られた人員体制のもと、市庁舎同様の隔日勤務は組まず、現場職員が日々勤務を続け、通常通りのごみ収集と処理業務に当たっている。
外出自粛で市民の在宅時間は長くなり、普段できない片付けをする人が増えたのか、今年4月のごみの種類別重量は▽粗大ごみ35・9㌧(前年同月29・5㌧)▽破砕ごみ38・2㌧(同29・1㌧)と、それぞれ約21%、31%の大幅増。破砕ごみは、プラスチックや金属、空き缶、スプレー缶、陶器など不燃ごみを含む。また、▽可燃ごみ997・1㌧(同1007・7㌧)で微減。市は、大学の休校で学生が一時、減少しているなどの影響とみている。
この中、甘南備園の職員たちは、施設内では〝3密〟を避けるために控室を幾つか設けて使用するのをはじめ、ごみ収集の際には、ウイルスが付着した恐れのあるごみが紛れている危険も考えられるため、最大限の予防策を講じながら業務を継続している。
そして、市内のごみ集積所に出されたごみ袋に職員を応援する手紙や手作りマスクが添えられることが相次ぎ、これまでに8件を確認。「大変な時期にかかわらずありがとうございます」「新型コロナに十分気を付けてください」などの心温まるメッセージが寄せられている。
収集班の森一生(かずお)班長(55)は「健康に気を遣ってもらい、マスクがない時にいただけてありがたかった。いつもの1・5倍から2倍以上に量が増え、現場との往復も増えているが続けていきたい」、岩井真一副班長(50)は「感謝の気持ちでいっぱい。励みになる。現状は大変だが、力が湧く」と声を弾ませる。
最高気温28・2℃を記録した11日、激励挨拶に訪れた上村崇市長は約40人の職員に向かい「市民生活に欠かせない業務。テイクアウトを含めてごみは増えている。交替勤務が難しい中、市民の安心安全のための下支えに頑張ってもらっている」と感謝の気持ちを述べた。
市は、ごみ袋の中身が容易に散らばらないようしっかりと口をしばって封をするなどの感染防止に向けた取り組みを市民に呼び掛けている。