花々が彩る宗円生家/宇治田原
約30種を観賞できる宗円生家の紫陽花は7月10日ごろまで見頃

日本緑茶の祖…永谷宗円の生家(宇治田原町湯屋谷)に、花々が彩りを添えている。
来週25日から7月10日ごろまでが見頃という紫陽花(あじさい)は、生家の世話役を務める永谷浩美さんが挿し木で増やし、愛情を込めて見守ってきたもので、今では約30種を観賞できる。
渦を巻くような形から鳴門とも呼ばれる「おたふく」、大玉の回りにパンパンと光の輪ができるような「墨田の花火」、惚れ惚れするような美しさで魅了する「城ケ崎」。
花房をどんどん大きくし、フワーとした白色に変化する「アナベル」などがあり、花びらの付け根にある萼(がく)が下がってくると、揺れて踊っているように見える「ダンスパーティー」も美しい。
これまで、シカによる食害もあり、無粋なネットも余儀なくされたが、今年3月に町が鳥獣被害対策として、シカ除けの竹柵を設置。豊かな自然に溶け込むような情緒が保たれた。

石段の生家ミニチュア陶器

また、茅葺き屋根への日当たりを良くするよう伐採された木の根元には、真っ赤なハートが残木で作られており、今年も紫陽花の切り花を添えるという。
そして、生家に上がる石段には、地域の方が贈ってくれた生家のミニ陶器が置かれており、ここにも週末、季節の花が飾られる。
生家内の見学は土日・祝日の10時~15時。窓を開放し、密に気を付けながら案内するといい、平日は予約制となっている。問い合わせは永谷宗圓顕彰会事務局℡0774‐88‐2224まで。