宇治田原町の山里…奥山田川上に創建されてから約800年という正寿院で、7月1日から、恒例の『風鈴まつり』が催される。
今年は、ハート形の「猪目窓」、花で彩られた「天井画」で人気の客殿前にも吊るされたが、そこで揺れるのは、コロナ禍で奮闘する医療従事者への感謝の意を示す「青色」、前を向いて咲く向日葵(ひまわり)の風鈴である。
古刹でキラキラ輝く2000のガラス風鈴。そのうち500個には桔梗(ききょう)、アサガオ、ハスなど夏の花が手づくりの造花であしらわれている。
人間の五感で涼を感じてもらおう…との思いから、境内に飾りはじめ、「眼」と「耳」を刺激するだけでなく、豊かな自然と茶畑の香りが「鼻」をくすぐり、本場のお茶を「舌」で堪能。風鈴の絵付け体験が「触覚」を刺激する。
宇治市内より夏場の平均気温が5℃ほど低いと言われる奥山田の涼感をさらにアップさせ、本堂には全国47都道府県の風鈴も並ぶ。
その飾り付けがほぼ整った29日、「猪目窓を見たくて」と正寿院を訪れた井手町の主婦(39)も「こんなにたくさんの風鈴は見たことない。青とヒマワリの風鈴も、すごく良かった」と、心にも吹く涼風を感じ取っていた。
■今年は事前申し込み制
なお、今年の「風鈴まつり」は新型コロナウイルス感染防止対策のため、期間を8月31日までに短縮し、拝観は事前申し込み制となる。
拝観希望者は住所、氏名、連絡がつく電話番号、拝観人数、希望日(8月17日は伝統行事のため除く)、希望時間(1部9時~11時、2部12時~14時、3部15時~17時)を明記の上、メール(shoujuin28@yahoo.co.jp)または往復はがき(〒610-0211・京都府宇治田原町奥山田川上149・正寿院風鈴まつり事務局)で申し込むこと。(メールは希望日の3日前、往復はがきは同1週間前まで)
期間中の拝観料はお茶、お菓子、散華つきで600円となっているが、状況を見てお茶接待は見送る場合あり。交通アクセスは正寿院ホームページに詳細。無料駐車場は60台分ある。