野鳥の観察と調査をはじめ、植樹、清掃などの自然保護活動を繰り広げる「京都宇治隼(はやぶさ)隊」(木村繁男代表)は4日、宇治市の木幡池周辺で年初活動となる野鳥観察会を開いた。会員たちは望遠鏡を通して見る鳥の様子に胸をワクワクとさせ、盛んに会話を弾ませた。
同団体は、前身の宇治愛鳥緑の少年団時代から「野鳥と緑は一体。野鳥保護は、まず緑から」を合言葉に活動。2006(平成18)年4月、OBや一般市民も参加できる組織となり、現在は家族を含む約60人が会員登録している。
この日午前9時、京阪木幡駅近くに集まった約25人は、南池、北池の順に生態を見て回り、この時期に見られる野鳥の話題などにじっくりと耳を澄ませた。
同会では、木幡池で4日に観察会を行うのが年初恒例となっており、過去には、カワセミをはじめ、カモ類、山に棲む小鳥、猛禽類のハヤブサなどを確認し、縁起が良いタカを年初に見よう―と、今年の参加者たちも興奮ぎみに近辺を見渡した。
会員同士で望遠鏡をのぞき込み、野鳥や植物談義にわいわいと花を咲かせ、図鑑をめくるなど、じっくりとファインダーの奥を観察した。
木村代表は「以前は見られたタカの1種のミサゴが出てこない。珍しいところでは、ヨシガモがいた。宇治川で最近見ない鳥も見掛けられた。年々、見られる野鳥の数が少なくなるのは、エサとなる魚が減っているのかもしれない。昔と逆で、北池の方がよく見られる」などと傾向を伝える。
また、昨年5月に初会合を持った「宇治でみられる野鳥ガイドブック」作成の取り組みは、その後も回数を重ね、4月総会で完成披露する予定。木幡池や大吉山、宇治川など探鳥地5カ所ごとに確認された野鳥を紹介するという。10・11月には、南部小4年生の野鳥観察もサポートした。
今年も、毎月2~3回の観察会を続け、近隣府県にも足を運ぶ。