大蛇に見立てた縄を集落の入り口に飾り、平穏を祈る行事「神縄座(かんじょうざ)」の巨大しめ縄作りが18日、宇治田原町の荒木地区で営まれた。
神縄座は荒木のほか、町内の禅定寺や岩山、立川でも行われている伝統行事。荒木区では8軒の堂衆座が交代で当屋を務める。この日は、今年の当屋である五百磐(いにわ)一さん(80)宅に座員が集まり、しめ縄作りに取り掛かった。
玄関前では、男衆がもち米のわらを手に取り、力を込めて編んでいった。小一時間ほどで、長さ約5㍍の「蛇(じゃ)」が仕上がり、軒先に吊るした。
19日昼前には、地元・大宮神社の五百磐顕一宮司がお祓いをした後、しめ縄をズルズルと引きずって神縄橋の北にある榊の木まで運び、無病息災の祈願をする。
この「荒行」に耐えた大蛇が、集落を災厄から守るという。座員らは「村の平穏を祈る伝統儀式。少人数だが、続けて守っていきたい」と話した。