宇治市内の福祉関係団体など100近い団体・企業が一堂に集まる「宇治福祉まつり」について、主催する市社会福祉協議会が、来年度(今年11月)は休止する方向で検討していることが24日、分かった。府内の各市町村社協が集結するイベントの会場が宇治市に決まり、開催時期も11月で重なるため。30年以上休まずに続け、課題も出てきた「福祉まつり」の2021年度以降の再開も視野に入れつつ、あり方を検討する期間とする意向だ。
福祉まつりは「支えあい、助け合い、励ましあって、つながる福祉」をコンセプトに毎年11月の第1日曜日に開催。市社協、福祉関係団体などで構成する実行委員会が主催している。
市総合福祉会館など周辺一帯で開かれ、昨年11月は約6000人が来場。ステージやブースでの活動紹介、福祉関係団体が出店する模擬店を通じて、福祉関係者が交流を深めたり、福祉と縁遠い人を福祉団体等とつなげる役目を担っている。
しかし、来年度は府内の各市町村社協が一堂に会する『第9回きょうと地域福祉活動実践交流会』が11月28日(土)に予定されており、当番は宇治市・城陽市・久御山町社協。特に会場が宇治市文化センターと決まった。
いわゆる〝府版のサミット〟で、福祉まつりと重なることで事務作業量が増えて、社協職員の残業代が増大することは確実。18年度には過労死ラインを超える残業が、市議会で問題視されたばかりで、膨大な事務量を憂慮した。
福祉まつりは昭和の終わり頃に始まり、平成時代を休まず駆け抜けてきたが、実働部隊が高齢化。参加者の固定化が進んでいるほか、純粋な寄付文化の衰退で活動資金が乏しくなるなどの課題も見えてきており、小休止をチャンスととらえ、来年度にあり方検討委員会を立ち上げ、あるべき姿を探る方針だ。
これら方針については22日の市社協の評議員会に説明。3月の評議員会に正式に諮る予定だ。