地震想定で5年ぶり総合防災訓練/城陽市
プレミアムアウトレット建設予定地での訓練に参加する市民ら

城陽市は26日、同市観音堂甲畑のプレミアムアウトレット建設予定地で総合防災訓練を行った。30年以内の発生確率が70~80%と見込まれる南海トラフ巨大地震での被害を想定。阪神・淡路大震災から25年が経過する中、関係機関と市民が連携し、有事の情報伝達や人命救助の手順などを確認した。
5年に一度の大規模な訓練で、前回2015年に続いて南海トラフに備えた。市内10の自主防災組織や国・府・市・市消防本部・団、市内防災関係団体、警察、自衛隊、電気・ガス・水道などのライフライン関係機関など44団体、見学者を含め約750人が参加した。
1月の平日午前8時30分ごろ、南海トラフを震源地としたマグニチュード9・0の地震で震度6強を観測、全容を把握できない被害が市内で発生した―との状況設定で行った。
地震発生想定時刻に「緊急速報メール」と「市安心・安全メール」で地震情報を発信し、訓練が幕を開けた。参加機関の二輪や公用車、府警ヘリコプターが出動し、地上と空から収集した情報を本部で集約した。
倒壊家屋やビル、土砂に埋もれた車両からの被災者の救出、京都市消防局のヘリコプターによる搬送、一斉放水での消火作業など各種訓練を繰り広げた。近畿砂利協同組合などが重機で流出土砂を除去。犠牲者の発生を想定し、身近な人との死別に悲しむ人々を支える「グリーフケア」の訓練には城陽署などが参画し、前回より実践的なプログラムを進めた。
小型無人機「ドローン」を活用した災害時の支援活動に向け、市と昨年協定を結んだドローン撮影クリエイターズ協会も展示ブースに出展し、デモ飛行を行った。
炊き出しには、ワンプレートで手軽に食べられるカレーが新たに登場。自衛隊員が白飯を炊き、日赤炊き出しボランティア「城炊会」と婦人防火クラブ員がルーを仕込み、500食提供した。
奥田敏晴市長は訓練講評で「機敏な連携活動を非常に心強く感じた。今後とも、それぞれの場で災害への備えに励み、防災体制に万全を期してください」と呼び掛けた。