京田辺市への「ふるさと納税」が顕著に伸びて、2019年4~12月は前年同期比5倍に当たる約2000万円を計上した。地元に工場を構える大手メーカーの人気飲料が起爆剤となったのをはじめ、お茶をはじめ地元農産品などが並ぶ品目のうち、釣りファンが熱い視線を浴びせるルアーも躍進。市は今後も事業者と連携をした地場産品の強化を中心に、事業と紐づけるクラウド・ファンディングのラインナップも視野に入れる。
2018年度は517万円だった京田辺市への寄付金(ふるさと京田辺応援寄附金)のうち、4~12月は408万円。それが19年度に入ると、同4~12月の累計額は1943万円に達し、ほぼ前年同期の5倍に跳ね上がった。
これまで「ふるさとチョイス」の一つだけだったインターネットの専門サイトに「さとふる」を追加。市は、寄付のツールを広げる中、京奈和道田辺北インターすぐに棟を構える飲料大手㈱明治京都工場=大住立原=と思いが一致した同工場製造で正真正銘の地場産品を投入。キラ星の如く現れた返礼品は、赤い意匠と吉田沙保里さんら出演のテレビCMで親しまれるプロビオヨーグルトR‐1ドリンクタイプで、消費者のお手頃感にもマッチし、開始以来、973万円を計上している。
また、以前から品目に並ぶ地元事業者の㈲マドネスジャパン=大住池ノ端=製造のバスフィッシングなどで愛用されるルアー(疑似餌)がバリエーションを増し、315万円にまで額を伸ばした。
市内店舗、事業所に呼び掛け、十数品目だった返礼品は今年度に66品目まで拡充。R‐1も地道なアピールの産物で、市は「東京、関東方面、あるいは大阪などの都市部住民から引き合いが多い。宅配システム、健康志向がマッチしたと思う」と分析する。
今後については、「市内で協力してもらえるところはまだある。積極的に呼び掛けたい」と返礼品の拡充を目指すほか、地方自治体が起業家や移住支援などのプロジェクト実行者として世にアピールし共感した人から寄付を得るガバメント・クラウド・ファンディング(GCF)に関心を寄せている。
なお、ふるさと納税とは地方自治体への寄付金制度。希望した市町村へ送った寄付金は、その年の所得税から還付され、翌年度の個人住民税から控除されることになり、自己負担額は実質2000円。京田辺市の場合、1万円以上の寄付から返礼品を用意するとともに、こども園整備、学校図書室の充実、スポーツイベントなど18の選択肢から活用先を指定できる。